裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

考えたこと

愛知県 ファミリーシップ宣誓制度の本音と建て前

愛知県でファミリーシップ宣誓制度申請の受付が始まった。 www3.nhk.or.jp 愛知県は性別を問わず法的な婚姻関係を結んでいないすべてのカップルや生活をともにする子どもなどに対し、婚姻関係にある家族と同じような行政サービスを受けられるよう導入する「…

他人を恐怖で洗脳した罪をもっと重く見る必要があると思う

先日、児童の母親と母親の元同級生が被告となり、児童に対し長時間正座を強要したり暴行をしたりした強要・暴行の罪を問われる裁判を傍聴した。 被害者児童の母を被告A、被告Aの元同級生を被告Bとしよう。 被告Aは実家や姉との関係は良好で、本人の様子や公…

依存症治療の先に何かないと乗り越えられない

アルコール依存、薬物依存、クレプトマニア… 犯罪と依存症は密接に繋がりがある。 アルコールを摂取すること自体は違法でも何でもないが、アルコールが入ると犯罪をしてしまうという人がいる。アルコールを摂取するために酒を盗んでしまう人がいる。 アルコ…

再犯は口先の体(テイ)を一貫できなかった結果

先日、「外向きの一貫性、体(テイ)が大事」という内容の以下のブログで裁判傍聴の話が少し出てきたので裁判の中での体(テイ)について書く。 saize-lw.hatenablog.com 大抵の裁判には裁判長の説教パートというものがあって、裁判長と被告人が「スマホを盗…

元関脇元妻が欲しかったもの

本人が亡くなってしまったので裁判にはならないが、先日起こった元関脇元妻が離婚後交際していた既婚男性と猟銃で心中した話が衝撃だった。 その元妻は、過去に実子への虐待で逮捕歴があり、私も見たことがあるのだが虐待動画が出回っている。正気の沙汰では…

ビックモーター問題と特殊詐欺加害者問題

ビックモーター問題から目を離せなくなっているのだけれど、本日のニュースも衝撃的だった。 ビックモーター社員が他社に車の買い取り見積を行っていた顧客に成りすまして他社へキャンセルの連絡を入れていたことが明るみに出てきたのだ。 news.yahoo.co.jp …

AI時代のサバイバルスキル

AIに仕事が奪われるという話は、ことあるごとに話題になるが、今回は仕事ではなく日常生活の中や、様々な手続きを行う側について考える。 先日、海外発だけれど日本でも一定の利用者がいる、あるサービスを利用しようとした。スマホにアプリを入れてから申し…

聞いてはいけない人に聞き、それ以上考えないようにするという罪

先日特殊詐欺の出し子の裁判を傍聴した。 仕事内容は、他人名義のキャッシュカードで動作確認と金を引き出すこと。 報酬は引き出した金の1.2%、引き出せなくても日当3万円。 出し子役を担った被告人は、名前も顔も知らない指示役から電話で 「コインロッカ…

悪人と善人の境界線

受刑者や出所者の社会復帰支援に取り組むNPO団体の代表で自らも元受刑者だった人が、相談者の女性に性的暴行容疑で逮捕起訴された。 助けを求めて来た女性を狙うなんて本当に卑怯だし、怒りも覚える。 この元受刑者は、過去のネット記事から多岐に渡る犯罪を…

ベトナムで気付いた日本人の野生センサーの脆弱さ

先日、コロナ後初の海外旅行でベトナムに行った。 早速不思議なことが起こったので書き残しておく。 ベトナムに到着し、日本から予約していた長距離バスを空港内の指定場所で待っていると、私の行き先も集合時間も知っているようなそぶりを見せたスタッフを…

家族が起こした犯罪と向き合うことと、家族の形を存続させることの難しさ

先日、NHK 事件の涙で「パリ女子学生殺人事件」の残された家族についての番組があった。 www.nhk.jp この事件については、一部しか知らなかったけれど、おそらく当時は相当な話題だったのだろう。加害者は心身喪失でパリで無罪となったが、加害者が殺人事件…

地元の近所の住民が娘を追い詰める

news.yahoo.co.jp また、産まれたばかりの子供が遺棄される事件が発生した。 この種の事件を起こす女性は、子供が産まれることで「どうしよう」と追い込まれている。追い込まれるからこのような事件になってしまうのだ。 発覚したらどうしよう・・・と発覚する…

若者が「尊敬する人は両親」と言うようになった理由

10年以上前は「尊敬する人は誰ですか?」の回答に「両親」はあまり出てこなかった記憶だ。 ところがいま、尊敬する人の回答として「両親」が圧倒的に増えた印象がある。 なぜ今尊敬する人=両親がメジャーになってしまったのか。 2010年代からリクナビやマイ…

人に相談する行為は高度で難しいコミュニケーションだ

よく事件が起きると周りの人が「なんで相談してくれなかったのか・・・」と言っているのをニュースで見聞きするし、裁判でも相談というワードは頻繁に出てくる。 裁判で今後被告が再犯をしないために、もし困った状態になったら事前に誰かに助けを求めたり、周…

見えない恐怖は自分の命を守る能力さえ奪う

人身掌握に長けた人に取り込まれてしまい、見えない恐怖に操られて人生がめちゃくちゃ、最悪その結果死にいたってしまうこともある。 先日傍聴したこの事件の20代男性被害者は、物理的に監禁されたわけではないけれど、暴力や食事制限など虐待まみれの場所で…

やみくもに不安になるのは詐欺師のカモになるようなもの

先日、投資詐欺がニュースになっていた。 www3.nhk.or.jp 「海外のファンドに投資すれば毎月4%の配当を受け取れる」などとうたった架空の投資話で金を集めていたとして、東京のコンサルティング会社の社長ら8人が詐欺の疑いで逮捕されました。 20代から30代…

コロナ医療費自己負担ルールで気付いた全体最適の意図

そろそろコロナの感染症法上の位置づけが2類相当から5類に引き下げる話が出てきているが、現在のコロナ医療費についてもう少し調べてみることにした。 各県がそれぞれ説明しており、おそらくルールはどの県もほぼ同じだと思うのだが、医療費の自己負担分を公…

上田美由紀死刑囚から生きるヒントを学ぶ

news.tv-asahi.co.jp 2009年に発生した鳥取県連続不審死事件で、強盗殺人などの罪で死刑が確定し、広島拘置所に収容中だった上田美由紀死刑囚(49)が食事中に食べ物を喉に詰まらせ死亡していたことが分かりました。 鳥取連続不審死事件の上田美由紀死刑囚が…

「どんな仕事も尊い」というきれいごと

「仕事だから」とか「どんな仕事も尊い」と仕事を神聖なものとして扱いすぎる風潮にここ数年違和感を感じている。 「その仕事に対し誰かがお金を払うんだから、そのこと自体がその仕事が価値あるものだと言える」なんてこともよく言われる。別に間違ってはな…

まっとうに見える仕事が無意味化している

「どこかの企業に勤める」という大多数の人がやっていることが無意味化していると思う。 一通りの必要な物やサービスはそろっている現代、さらに企業が売り上げをあげようとすると、あの手この手を使って顧客の必要十分を超えて購入させたり、商品知識が乏し…

私たちが恐れているのは生きるための最低限以外のことが出来なくなる生活になること

将来生活できるお金がなくなったらどうしよう… 誰でも頭の片隅にはあるぼんやりとした不安。 ホリエモンもひろゆきも別に生活保護があるからいいじゃんと言う。 でもほとんどの人が、ああそうか、生活保護があるからいいやとはそこで安心できない。起こって…

圧倒的味方がいる被告とそうでない被告

実刑4年が言い渡され、判決の説明を聞いている被告。 首が背中と90度になるくらい下に向け姿勢は小さくなっているが、がたいが大きい。 顔は悔しさをにじませ、量刑説明のひとつひとつに、首を横にふりこぶしをにぎる。 こんなに自分を表現している被告を見…

自分勝手がすぎる人にとって都合がよい社会になってきている

犯罪者は、つまり自分勝手がすぎる人だと思っている。 犯罪か犯罪でないかは、法律が決めることだし、その法律も変わっていくし解釈や社会情勢で犯罪のラインも変わる。 犯罪者とそれ以外がきっちり分かれていてイメージしている人が多いようだが、その境目…

「もう歳なので」で逃げ切る習性

被告人が老人の場合、本人尋問でもしょっちゅう出てくるやり取りがある。 検察官:「前回も、もう二度としないと誓ったのに今回はもうしないとなぜ言えるんですか?」 被告:「自分ももう歳が歳なもんで」 これが情状証人への妻への尋問でも同じ。 検察官:…

「悪いこと」をする時の理由や気持ちなんて言葉で簡単に言い表せない!

被告は50代、専業主婦。 夫は全国転勤がある商社マン。万引きがやめられない、いわゆるクレプトマニアだ。今回の罪は、スーパーでアメ2袋、金額で402円の万引き。夫の稼ぎで金銭的な不自由はないが、夫の転勤で精神が不安定になりがちで、その時に万引き癖が…

許せないことに苦しめられているのかもしれない

先日、包丁2本でメッタ刺ししたこの事件について考えていた。bunshun.jp 不動産投資の契約でのトラブルからの殺人事件。傍聴仲間から聞いた話によると、被告はこの事件が起きるまでは、全く犯罪に無縁で充実した生活を送っていたそうだ。そんな中、不動産投…

安倍元首相銃撃事件の犯人から、私達の悩み解決の糸口を見出す

安倍元首相銃撃事件で、最近日本人があまり味わったことのない感覚に包まれ、多くの人は心がざわついたまましばらく過ごすことになるだろう。 メディアは、このざわつきを利用して不安をかきたてるので、それらの報道とは一定の距離をとりつつ、この事件から…

国に不健全な職業と指定されてしまった性風俗の健全な部分

先日、性風俗業者を新型コロナウイルス対策の持続化給付金の対象外とすることは憲法違反かを問う裁判が行われた。 その裁判の中で性風俗業を「性を売り物とする本質的に不健全な営業」と「許可という形で公認するのは不適当」と過去の国会答弁があったことが…

SNSで簡単に人と人がつながることが出来る弊害

SNSで簡単に人がつながることが出来るようになったことは、SNSが無かった時代には出会えなかった人達との出会いを生み出し、人々の生活を豊かにしてくれた。 一方、出会いのコストが下がることの弊害もかなり大きい。 傍聴している裁判で、男女間のトラブル…

同じ転職でも表現方法で意図的に印象操作する検察官

裁判では、初公判で起訴状の読み上げのあと冒頭陳述で、被告人の身上経歴について簡単に述べられる。 よくあるのが「〇〇高校を中退し、△△業に就職するもその後、職を転々とし犯行時は無職」などというほぼテンプレートの身上経歴だ。 私はこの表現にずっと…