裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

やみくもに不安になるのは詐欺師のカモになるようなもの

先日、投資詐欺がニュースになっていた。

 

www3.nhk.or.jp

 

「海外のファンドに投資すれば毎月4%の配当を受け取れる」などとうたった架空の投資話で金を集めていたとして、東京のコンサルティング会社の社長ら8人が詐欺の疑いで逮捕されました。

 

20代から30代の若い世代を中心におよそ200億円を集めていたとみられています。

 

投資詐欺事件は常に起っている。

切り口は異なるが、パターンはだいたい同じだ。

 

お金を預けると配当があり、最初数回は実際に配当を受け取れるのだが、その配当を再投資すると将来的にさらに得があるように思わせるなどして、配当金を出資者に支払わなくてもよいようにしていく。

 

「配当金」といっても単に別の被害者から巻き上げたお金を少しずつ配るだけで、被害者が詐欺にあったことに気付くタイミングを遅くするだけのアイテムにすぎない。

 

また、運用内容は「海外のファンド」「AIで」などのワードを入れ込み、被害者がそのワードからいだくイメージで疑念を抑えられるようなストーリーが作られている。

 

最近の傾向は、今投資できるお金が手元にない若者もターゲットにされていることだ。

 

以前の投資詐欺の被害者は、資金が必要なため、ある程度の年齢であることが多かったが、そこまでお金がない若者はクレジットカードなどで借金をすることになる。

 

なぜ投資のお金がない若者までが投資詐欺にひっかかってしまうのか。それは、2019年金融庁の報告書から巻き起こった老後2000万円問題が大きく影響しているとおもう。

 

不安をあおるネタはアクセス数を稼ぎやすいから情報発信者はこぞって話題にするし、そこで投資しましょう!と、証券会社の口座を作るアフィリエイトにも話を持っていきやすい。

 

それらの話題を見聞きしても、中年は子育てや仕事で忙しすぎて考える暇がなかったり、ある程度自分の実力はこんなものだと現実と折り合いをつけながら生き始めるころでもある。

 

だが、若者は老後がとてつもなく先でイメージがわかないし、これからどんな人生を歩んでいくか方向性もまだはっきりしていないのでその分不安が大きくなる。

 

詐欺師からすれば、不安になっている人はだましやすい。

 

不安をあおってだますというのは詐欺の常套手段だが、不安をあおるという重要な詐欺の第一ステップを金融庁やマスコミが担っているようなものだ。

 

日常生活で不安をあおる情報を絶つことは出来ないが、情報発信者側が視聴者読者の不安をあおった方が利益が大きいという前提を忘れず、やみくもに不安になるのは詐欺師のカモになるようなものだと自覚することが大事だと思う。

 

自分の不安が漠然としたものであれば、外圧で不安にさせられているはずだ。不安を解決する第一歩は、不安をそのまま受け止めず大きくなった幻想の不安を一旦小さくすることだ。