NHKスペシャル 追跡ルフィ事件を視聴した。
番組のタイトル通り、フィリピンから遠隔で犯罪指示をし、連続強盗を起こしているルフィ事件をフィリピンにまでも追跡した番組だ。
ルフィというハンドルネームは印象的で有名な事件だが、分かっていないことも多く、私たちがニュースで見聞きするのは包括的な情報ではない。
今回この番組を視聴して理解が深まった部分もあるので、番組を視聴して気になった部分をまとめておく。
・特殊詐欺の犯罪手法を応用した犯罪
首謀者が姿を見せず遠隔で闇バイトをあやつる特殊詐欺のノウハウを流用している。特殊詐欺自体はそのまま存在するが強盗まで幅を広げた形だ。
・非接触型犯罪
実行役は闇バイトとしてSNSからいくらでもリクルートできる。
犯罪ごとに、実行役を変え、実行役同士も基本的に面識がない物同士。
お金の受け渡しすら非面接で行われ、実行役が摘発されても、上部の首謀者が逃れることができるビジネス構造が確立されてしまっている。
・フィリピンで他の犯罪グループと緩くつながっている
フィリピンには、以前から闘鶏を取り仕切っているJPドラゴンという半グレグループも存在している。ルフィーグループとフィリピンで緩くつながっており、特殊犯罪に使用するリストの供給など手助けを行っている。最初ルフィを含めた幹部が捕まらなかったのもJPドラゴンの手助けがあったからだっだそうだ。
・半グレと暴力団の関係
日本で暴力団の締め出しがあるので、暴力団関係者はおのずと海外に行き場を求める。
実際、ルフィグループや、JPグループなど半グレグループは暴力団よりも資金力を持っているので、現状暴力団が半グレの下請け状態になっている。
・闇バイトの実態
闇バイトのリクルーターの証言。
「SNSで闇バイトを募集する際、『一日5万円から10万円稼げます』などの文言が
一番刺さる。楽して汗水たらしている姿見せても楽して金稼ぎたいやつには響かない。
だったら、SNSでロレックスしてバーキンだの持って着飾った人間が簡単にこれで稼ぎました、どうやって稼いだんだろうと思う。
そういうところからの誘導だなら完全に落ちてる。心理で。」
証言で怖かったのが「連絡くるやつ、ほぼやる」と言っていたこと。
SNSですぐにつながることも出来てしまう闇バイトだが、この証言を聞くと闇バイトの募集に連絡を取ってしまうかその前に踏ん張るかが大きな境界線だということが分かった。
この番組で、犯罪組織の境界線が薄くなり緩くつながって犯罪が複雑化していること、一方で捨て駒にされる闇バイトは連絡するかしないかが運命のはっきりした境界線であることが分かった。