アルコール依存、薬物依存、クレプトマニア…
犯罪と依存症は密接に繋がりがある。
アルコールを摂取すること自体は違法でも何でもないが、アルコールが入ると犯罪をしてしまうという人がいる。アルコールを摂取するために酒を盗んでしまう人がいる。
アルコールさえ飲まなかったら普通の人だけれど、アルコールをやめることが出来ない、アルコールが無い状態が耐えられないのだ。
アルコールが薬物の場合はさらに深刻だ。摂取自体が犯罪になるし、摂取するのに多額のお金が必要になる。
薬物依存症であろう被告の裁判ではこのようなやりとりがある。
裁判長:「もう二度と薬物はやらないでくださいね。約束できますか?」
被告:「はい、できます」
お決まりのやり取りだ。
もう数え切れないほどこのやり取りを聞いた。
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先日、アルコール依存症でアルコールが入ると窃盗してしまう被告がいた。同種前科もある。
以前もアルコールをやめようとしたけれど、やめるだけではただつらい、その先に何もないからやめることが出来なかったと話していた。
「依存症は毎日やめ続ける、完全にやめられたという日は来ない」という言葉を何度か見聞きしたことがある。そもそもアルコールや薬物などで日々の苦痛を紛らわせていて依存症になるのだから、やめるのもつらいのは想像に難くない。
この被告が家族の協力を得て導き出した次の対策は、単に薬物をやめるのが目的なだけの施設ではなく、ウェルビーイング理論をベースにこれから自分の生きがいを持って幸せに生きられるようにすることを目標にしている施設に入って回復を目指すことだった。
薬物依存症をサポートする施設としてダルクが有名だけれど、確かにアルコールや薬物を辞めるのは依存症の人にとってつらいしやめ続けるのは報酬がなくて希望を見つけるのは難しい。
この被告からは、困難を乗り越えるには希望がないと出来ないし、その希望を見つけることが大切だということを学んだ。
参考▼ウェルビーイング