裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

悪人と善人の境界線

受刑者や出所者の社会復帰支援に取り組むNPO団体の代表で自らも元受刑者だった人が、相談者の女性に性的暴行容疑で逮捕起訴された。

 

助けを求めて来た女性を狙うなんて本当に卑怯だし、怒りも覚える。

 

この元受刑者は、過去のネット記事から多岐に渡る犯罪をしていたようで、悪事へのハードルが低かったのは確かだ。3度目の服役後、良い出会いがあったこともあり、社会復帰支援のNPO団体を立ち上げ、元犯罪者としての苦労もしながら多くの人を助けていた。

 

この話を聞くと、この人はもう「悪人」から「善人」になったんだという印象を持つ。悪人と善人の住む世界はハッキリと分かれていて、その間には大きな川が流れているようなイメージで。「善人の世界に来れた、よかったよかった」と。

 

人生なんてそんな単純じゃない。

更生への道もそんな単純じゃない。そして、一度更生してもその後良い状態が続くことが確定されたわけではない。

 

善人と悪人が住む世界がくっきりと分かれているわけでもないし、悪人だった人がある地点で善人に転生するわけでもない。世界はグラデーションだし、その濃淡を行き来するものだ。