先日、ベトナムに行ってきた。
海外で裁判傍聴までたどり着くのは至難の業で、傍聴できたのはまだベルギーだけだ。
今回のベトナム旅行でも傍聴を試みたけれど、裁判所の前で門前払いを受けた。インビテーションがないと入ることが出来ないらしい。これはハノイの最高人民裁判所だが、建物は美しいので写真だけでも見てほしい。
外国人でも誰でも裁判傍聴できる日本の裁判は開かれていると思うけれど、日本の裁判所の建物は芸術性を感じない。単なる役所の建物にすぎない。
ベルギーの裁判所の建物は素晴らしかったし、バルセロナの裁判所の建物も綺麗だったし、このハノイの裁判所の建物も美しい。日本ももっと裁判所に日本っぽさを打ち出してもよい気がする。
ハノイで傍聴はかなわなかったが、事前に調べたことを含め情報をまとめておく。
まず、ベトナムの司法についてこの資料が役に立った。
https://www.jbic.go.jp/ja/information/investment/image/inv_vietnam202302.pdf
ベトナムの司法を簡単にまとめるとこんな感じ。
■ベトナムの司法機関は、最高人民裁判所と最高人民検察院である。
■裁判制度は、最高人民裁判所、下級人民裁判所、軍事裁判所の三つに大別される。軍事裁判所は、被告が現役軍人である事件などを管轄する。
■最高人民裁判所の下、省級人民裁判所、県級人民裁判所の 3 級制がとられている。原則として二審制となっており、第一審裁判所の上級裁判所が控訴審となる。
■一審、控訴審とも 3 人の合議体で審判される。監督審においても 3 人の合議体で審判されるが、最高人民裁判所裁判官評議会が審判する場合には、全評議員の3 分の2 以上の参加で審判される。
ハノイの中心部からすぐ行けそうな距離だけでも他に裁判所が複数あり、これらは一審が行われる裁判所なのだろうと思う。
ちなみに、私が門前払いされた最高人民裁判所の隣は、以前刑務所だった場所を博物館にしているホアロー刑務所博物館。
暗い房の中に足枷をされ、詰め込まれている囚人の原寸大のマネキンがあったり、ギロチンがあったり、拷問をする道具があったりとなかなかショッキングな内容も多かった。
そもそも海外の法律やその仕組みを知ること自体が難しいし、海外裁判傍聴のハードルはものすごく高いけれど、旅行した先の裁判傍聴を試みるだけでも勉強になった。