ビックモーター問題から目を離せなくなっているのだけれど、本日のニュースも衝撃的だった。
ビックモーター社員が他社に車の買い取り見積を行っていた顧客に成りすまして他社へキャンセルの連絡を入れていたことが明るみに出てきたのだ。
なりすましといっても異なる複数の客のキャンセル連絡電話を、同じ電話番号で通知してかけており、相手にバレている。
ビックモーター問題の初期の報道では壊れていない箇所を故意に壊して保険請求をした話だったが、他にも次々と信じられない出来事が行われていることが徐々に明るみに出てきた。
「車の壊れていない部分を壊して売り上げを多くする」については、「どうせ顧客は分からないだろうから」という心理が働くことについては想像自体はできる。
顧客は車に詳しくないし、車の内部の状態は顧客が事前に分からないから証明もできないし反論も難しい。
ただ、非通知にもせず顧客になりすまして電話をし他社への査定をキャンセルするのは、証拠がハッキリ残っていることだしそもそも隠そうともしていない。目の前の「ビックモーター社が車を買い取る」この一点を達成するかしないの世界しか存在しないのだ。達成しない恐怖には耐えられないから達成するしか選択肢がない。
この現象は、特殊詐欺加害者で個人情報を握られ逃げられなくなり、恐怖で更なる犯罪を言われるがまま行うしかなくなっている道具と化した末端要員と同じではないか。この末端加害者も、恐怖で指示されたことをやらない選択肢を取ることができない。
どちらも、もう客観的な視点など関係ない領域に入ってしまい、恐怖で操られるゾンビ
になってしまっているのだ。
ビックモーター社は、従業員数5000名を超える大企業で全体的に起こっている現象だ。
社員は、特別な人だろうか。
特殊詐欺に加担してしまった人は特別な人で自分には関係ないと思うかもしれない。それならビックモーター社員は特別な人で自分には関係ないだろうか。
人間は、恐怖に操られてしまったらゾンビになってしまう生き物なのだ。自分も例外ではないことをこれらの事件から学び、なにかおかしいと感じた時に他の選択肢が取れる状況にしておくことが大切だと思う。