裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

考えたこと

尼崎USB事件に自分の人生を守る方法のヒントがあった

昨日、尼崎のUSB紛失事件について書いてみたが、この事件から自分を守る方法のヒントがあったので、続編を書くことにした。 cocoronotomo.hatenablog.com この尼崎USB事件は、企業が(元々は委託元が)セキュリティ費用を支払っていないことが大きな原因だと…

尼崎のUSB紛失事件は必要なコストが支払われていなかっただけ

www3.nhk.or.jp 尼崎市で臨時給付金に関連する個人情報が入ったUSBメモリを委託業者が紛失した事件が発生した。委託業者の社員が、飲食店で泥酔した状態で紛失したことや、記者会見でUSBのパスワードのヒントになるようなことを発言してしまったりと突っ込ま…

交際のもつれ、男女双方逮捕事件と人間の妄想力の怖さ

headtopics.com 発表によると、林容疑者は13日午後9時45分頃、愛知県常滑市の中部国際空港の立体駐車場に止めた車の中で、男の首を包丁で切りつけ、全治2週間のけがを負わせた疑い。また、男は同日午前11時20分頃から午後0時40分頃の間、携帯電…

家族内で問題をすべて解決しなければならないという呪縛が事件を引き起こす

www.asahi.com 同居する母親の首を絞めて殺害したなどとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職青谷良樹被告(29)の裁判員裁判が14日、名古屋地裁岡崎支部で結審した。検察側は懲役8年を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めた。 私は傍聴に行けなかった…

「葬式代のために」と高い保険を払ってしまうのはなぜか

先日、友人の知人がまだ若い妻と幼い子どもを残して亡くなったという話を聞いて、保険の話になった。一家を養うのが夫一人の場合は当然、夫になにかあった場合の保険をかけるのは当然だ。ただ、独身や共働き子供なしや子供も巣立っているとなれば、本来死亡…

コンビニ強盗の被告から学ぶ問題解決対策

先日、コンビニと郵便局へ強盗した事件を傍聴した。兄弟4人暮らしで全員無職。兄弟のうち2人が生活保護を受給しておりその保護費で4人の生活をなんとかやりくりしていたようだ。そんな生活も家計を管理していたお兄さんが入院することになって変化が訪れる。…

被告のこだわりと粘り強さから学ぶ

日本では同じことを長く続けていることをよしとする文化があるし、諦めずにこだわることもよしとされている。これらはポジティブな意味合いで用いられることが多いのに、事件は「同じことを長く続けている」し「あきらめずにこだわる」ことによって発生して…

山口県阿武町誤給付問題からイラン人を思い出す

山口県阿武町から4630万円を誤給付された男性が逮捕された。どんな罪に問われているかというと「電子計算機使用詐欺罪」この罪はかつて偽造テレホンカードが社会問題になったが、当初行為自体は不法の利益を得たとしても、専有の移転もないため窃盗罪にも当…

あの人は嘘ついているよねと思う時

否認している被告の裁判を傍聴して、日常生活で「悪事を疑われたあの人が言っていることは嘘かどうか」を人々がどう判断しているのか考えてみた。裁判は認定された様々な証拠をもとに真実を確定して判断するが、いちいち私達は日常でそんな面倒なことはしな…

裁判官の技量が現れる注意事項案内方法

裁判は手続きなので、分かりきった事でも様々な説明をしなければならない場面に遭遇する。必ずあるのは「被告人には黙秘権があるので裁判の最初に裁判官からあなたには黙秘権がある」の説明。被告人に黙秘権の説明をするのは権利の説明なので基本的にネガテ…

お坊さんは自身に降りかかった被害を許すのか

いざ自分が裁判になるような大きな被害を受けたら「許す」境地にたどり着くことはまずないだろうと思う。 ただその被害者がお坊さんだったらどうだろうか。 お坊さんは普段説法などで、人には罪を許すことを説いているはずだ。 先日、神社が被害者という事件…

悲痛を訴えるだけが最善の策ではない

被害者参加制度という被害者が直接刑事裁判に参加できる制度がある。 2008年からスタートした制度で、それまでは被害者であっても席が確保されているわけでもなく、被害者なのに蚊帳の外状態だったといっても過言ではない。 傍聴席にも限りがあるのでかなり…

不倫から読み解く問題の核

不倫での慰謝料請求事件。 ダブル不倫、サレ夫が妻の不倫相手の医師を訴えた裁判だった。 裁判の原告・被告どちらでもないけれど、この事件の核となるのは今日証言をした不倫した妻。不倫妻は、産業カウンセラー。 かつて不倫妻自身が以前病んだ時に産業カウ…

持続化給付金の不正受給とクレーマーについて考える

持続化給付金の裁判を傍聴した。 持続化給付金はコロナで影響を大きく受けた事業者が申請して事業に使えるお金を給付してもらえるもの。 jizokuka-kyufu.go.jp 困っている事業者への給付金のため、審査は簡素化されていて、上記ホームページを見ると受付の電…

社会をまわすために誰かに責任を押し付ける

何か事件が起こったら、誰かのせいにして罰を与えて「この人のせいなんだ、だからこういう罰を与えたよ」とやらなければ社会がまわっていかない。 起こった事件を最終的に実行したのは、その被告人かもしれない。 けれど、その被告のまわりで起きている現象…

「間違えないように」生きるストレスからの犯罪

性犯罪被告は、他の犯罪の被告に比べて学歴が高かったり、正社員で働いている率も高い。 裁判では具体的な大学・会社名は伏せられることも多いが、有名大学出身だったり大企業に勤めていたんだろうと分かるケースもある。服装にも気を使っているし、普通に家…

安田純平さんのトークライブを視聴して真実について考えた

数年前に初めてトークライブに行って、その怪しさやクローズドな感じが気に入っている。 東京と大阪にはロフトワンというトークライブハウスがあるが、まだ名古屋にはなく気軽に行けないので残念に思っていたところ、コロナでライブハウスはリアルのイベント…

「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」で性犯罪者の言い訳へのナゾが少し解けた

この本を読んで、日ごろ疑問に思っていた『性犯罪・性的いやがらせをする人の常套句「合意があった」の言葉の内心はどうなっているのか』という疑問が少しスッキリした。 「ずる 嘘とごまかしの行動経済学 ダン・アリエリー」という本。 ずる 嘘とごまかしの…

「事件を起こした原因はストレスです」はウソではない

当たり前だが被告は、事件を起こしてしまった原因を自分なりに反省し次どうしたら事件を 起こさないかということを自分なりに考えなければならない。裁判では、当然原因が何だったかと今後の再発防止をどうするかを被告人質問で説明を求められる。まず、事件…

生まれ育った地元の交友関係の中でしか生きられない被告

友人と呼べる人がいるのだろうかとものすごく孤独な被告も多いなか、周りとの交友関係が強固な被告もいる。 よくあるパターンが小学校中学校の頃からの先輩後輩の関係が大人になってからもずっと続いている。もちろん、そのこと自体に問題があるわけではない…

まつ毛パーマ液で思わぬ法律のいたちごっこを観測できた

私はまつ毛エクステンションあまり好きではないので、時々まつ毛パーマをかけている。 通っていたエステのまつ毛パーマ料金がここ1年くらいで3回も値上げしたので、「値上げしすぎ!もうセルフでやってみよう!」とセルフまつ毛パーマキットを通販で探して…

リベンジポルノといってもイメージと違った

リベンジポルノといったら、振られた腹いせで付き合っていた当時に撮影した裸の写真などをばらまくといったイメージがあったのだが、先日傍聴した裁判は、単にお金に困っていて、過去性行為をした女性の画像をTwitter上にあげてお金を作ろうとしたという単純…

宮迫さん、田村亮さんの会見、最初のウソが出た原因はオレオレ詐欺に加担する下っ端と同じ

雨上がり決死隊の宮迫さん・ロンドンブーツ田村亮さんの会見を見て、これは世間の空気が変わるきっかけになると感じた。涙の会見の中に登場する人物は、芸人の先輩・後輩、吉本関係の人・・・。視聴者からはなじみがあり、想像がしやすい人物だ。 だからこそ…

自分はそうならない安全地帯から見ると感じるドキドキする感情

名古屋市のいくつかの地域で路上喫煙禁止エリアがある。日中オレンジ色の制服を来た取締り係員が巡回していて、違反すると罰金をとられる。先日、禁止エリアでたばこを吸っている人を見付けた係員複数人が足早にかけより、「違反です!」と喫煙者を取り囲ん…

死と日常生活の距離

あまりこの感覚を人に話しても共感してもらえないのだが、人々の日常の営みの中に死があるはずなのに、日本の日常生活では、死が何か別世界のもののように、人々の日常生活の中に死が入っていないと常々感じている。 死について語ってはいけない風潮だし、生…

街を走るアドトラック(宣伝カー)と法規制について考えてみる

https://twitter.com/takuya_hyon/status/1107859822769143808?s=19 電車内で4歳くらいの女の子が突然「バーニラッバニラバーニラ求人バーニラッバニラ高収入」って急に歌いはじめて母親は慌てて子供の口を手で抑え父親は遠くを見ている対面に座るお兄さんはネ…

表現豊かで声が大きい被害者の訴えを聞いて普段感じない違和感を感じたこと

被害者参加制度という制度がある。 刑事訴訟に犯罪被害者や委託を受けた弁護士が参加する制度のことだが、参加をすると、被害者が書面や口頭で直接裁判官に訴えることができるという制度だ。 ニュースで日々様々な事件が起こっていて、それなりに被害者の立…

なぜそんな事件を気軽に手伝ってしまうのか?

事件は単独の場合と、複数人で行う場合がある。 複数人で行う場合でも、それぞれの関係性が独立している場合もあるが、主犯格がいて他の共犯者を意のままに操るという場合もある。 多くの事件で主犯格になる被告人は特に、共犯者として片棒を担がせたり、被…

誰もが動画を取れるようになったメリットとデメリット

最近ニュースでよく出てくるあおり運転の動画などを見て、今みんながスマホを持っているので、昔なら証拠が残らなかった事件も、このように動かぬ証拠として簡単に残すことが出来るようになってよかったと思う。 急にあおり運転する人が増えたとは考えにくい…

まともな人間でいたいと思う欲望との戦い

傍聴している公判で、ある一定程度の割合で介護殺人事件に出くわす。 私が今まで傍聴した介護殺人では、比較的介護を初めて初期の段階で事件が起こっている。そして、その被告の周りには、介護に無関心な他の家族、見て見ぬふり、一人で頑張ってしまう被告、…