裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

コンビニ強盗の被告から学ぶ問題解決対策

先日、コンビニと郵便局へ強盗した事件を傍聴した。

兄弟4人暮らしで全員無職。兄弟のうち2人が生活保護を受給しておりその保護費で4人の生活をなんとかやりくりしていたようだ。

そんな生活も家計を管理していたお兄さんが入院することになって変化が訪れる。

一時的にその被告が生活費を預かることになったのだ。だがパチンコで使い果たし、お兄さんが退院してくる前にお金をなんとかしなければの一心で強盗しか思い浮かばなかったため犯行に及んだ。

ここだけを見ると兄が怖くて犯行に及んだのでは?と思われるかもしれないが、そうではなく、信用して自分に家計を預けてくれた兄の期待に答えられなかった自分をなんとか取り繕うとした結果だったように思う。

無職で兄弟以外の人と交流する機会もなかった被告は、世界のすべては狭い公団の一室と兄弟のみだ。

だから本当に強盗をして得た9万円を郵便局からまっすぐに家に持って帰り、お兄さんにそのままま渡してお兄さんから預かったお金の喪失を強引に解決した後、バイクで逃亡した。

自分の生きている世界が狭いと、一点しか見えず問題が起こった時にその表面的なトラブルを文字通りに解決しようとすることに固執してしまうのが人間だ。別にこの被告に限ったことではない。

強盗で解決しようなんて誰も思わないけれど、この被告が強盗で解決するのと同じように表面的な解決方法のみしか見えなくなることは誰でもある。

一人で困った状況におちいり、光が見えない時は「この方法しかない」と飛躍してしまっていないか、固執してしまってはいないか、もっと顔を上げて心を少しだけ緩ませ、狭くなっているかもしれない世界を広げてもう一度この問題を見てみるとこの被告で言う強盗以外の解決方法が見えてくるかもしれない。

事件が起こらない方が良いに決まっているけれど、起きたからにはこの事件から学びを得て誰かの役に立てたらと思う。