山口県阿武町から4630万円を誤給付された男性が逮捕された。
どんな罪に問われているかというと「電子計算機使用詐欺罪」
この罪はかつて偽造テレホンカードが社会問題になったが、当初行為自体は不法の利益を得たとしても、専有の移転もないため窃盗罪にも当てはまらず、「人」をだましたわけでもないので詐欺罪にも当てはまらず罪に問えなかった。
「窃盗」は「物理的なもの」の移動がある前提だし、「詐欺」は相手が「人」でないといけない。
そのため「電子計算機使用詐欺罪」が設定されたことにより偽造テレホンカード関連の罪を問えるようになった。機械をだました罪というイメージ。
20数年ぶりに偽造テレホンカードと一緒にイラン人のことも思い出した。
今は全然居ないけれど、20数年前普通に都会の公園でイラン人がテレホンカードを売っていた。こっそり売っているのではなく、積極的に普通の一般市民に「テレホンカードあるよ!」みたいなテンションだったと思う。
当時は、誰もめくじらを立てるわけでもなく「あの公園にはそういうイラン人達がいるなぁ」くらいの感覚だったし、普通にそのイラン人から偽造テレホンカードを買ってる人もいた。
今はそんな表立って違法なものを道で一般人に売るなんて考えられないので「表立っては」治安も人々の意識も良くなっているのは明白だ。
しかし、そんな治安も人々の意識も良くなってきている現在はその当時と比べて問題の総量は小さくなってきているのだろうか。
おぎょうぎの良さを自分にも他人にも強く求めて、間違いをおかしたり道をはずしてしまうことが人間の一部であることを認められない窮屈さが逆に、問題を増やしていないだろうか。
当時日本で偽造テレホンカードを売っていたイラン人は今どこで何をしているのだろうかと思いを馳せた。