尼崎市で臨時給付金に関連する個人情報が入ったUSBメモリを委託業者が紛失した事件が発生した。
委託業者の社員が、飲食店で泥酔した状態で紛失したことや、記者会見でUSBのパスワードのヒントになるようなことを発言してしまったりと突っ込まれるポイントが数多くある事件だ。
多くの人は誰が紛失させたのか知りたいとネットでは犯人探しが行われているが、この事件は個人の問題、委託先会社の問題だと片付けられる問題ではなく誰が紛失したかはあまり重要ではないと思っている。
事件が起こった以上、この事件の調査と再発防止をしなければならない。
事件はこの紛失した社員や委託業者が怠慢だという前提で調査等行われ、業務にますます厳しいチェック項目が増えたり、行動の制限を加えたり、ルール上は「この通りにすれば、紛失は起こりません」となるのだろう。
その新しいルールの元、稼働するのは、孫受けなど利益を多く取れない業者の社員となり、新ルールを遂行するための追加コストは業務を実際に行う社員が、精神をすり減らして払うことになる。
そもそも、この事件は事故が起こらないために必要なコストを最終的に業務を行う業者や社員に払っていなかった。
USB内のデータを消去するコスト、USBを持ったまま会社に戻るコストを会社側が負担せず、そのコストを業務を遂行する社員が支払う構造になっていたためだと思っている。