裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

難しい「家族からの金銭要求への対応」

金銭搾取、暴力、虐待、食事制限などの被害にあい、死亡した被害者家族の証言を傍聴した。

 

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この事件で亡くなった被害者は被告に促され、他県に住む自身の父と兄に金銭要求の電話をしていた。

 

父は最初5万、10万円程度の金を3回は被害者に送ったものの、その後は「一度実家に帰ってきて説明し、納得出来たら貸す。まずは一度帰ってこい」と今後電話だけの説明では金を貸さない意思を示した。

 

この事件は、被害者を死亡に至らせた傷害致死と、被害者の父と兄への脅迫としても起訴されている。

 

脅迫を受けた父と兄は恐怖を感じただろううし、最終的には被害者は亡くなっているので家族を救えなかったのだろうかと後悔する部分も当然あると思う。

 

しかし、被害者を突き放したわけでもないし、被告がいないすきに連絡を取ろうとしたり被害者を助けようとしていた。

 

被告からの電話も無視するわけでもなく、金の無心に対してもそのまま相手の要求を飲むこともせず、ヤクザの存在をちらつかせてくる被告に対しても、毅然と対処した。

 

家族まるごと支配され巻き込まれた事件として有名なのが、北九州監禁殺人事件や尼崎連続変死事件があるが、この父も兄も恐怖に支配されてしまったら、これらの事件のように巻き込まれた可能性もある。

 

残念ながら被害者は亡くなってしまったが、最悪の選択肢しかない中では最善の対応だったと私は思う。