海外のアパレル系企業で働くサラリーマンの被告には妻と2歳の子供がおり、月のお小遣いは2万円。
妻とはあまりうまくいっていないためか、ストレスがたまるとパチンコに行く生活。
ここまでは世間でもよくあるはなし。男には妻に内緒の借金が130万円ほどあった。借金もまだこの金額ならそこまで珍しいわけではないと思う。
ある日、パチンコに行くお金がなくなり妻の財布から1万円抜いて出かけた。
パチンコの閉店時間がせまっていたので、オンラインカジノへ流れつき、当然ながらその1万円はあっという間にゼロに。
ここでこの被告の頭の中は、奥さんにどうやってお金を返せばよいかしか頭になくなり、夜道を歩いていた女性の首をしめ失神させカバンを盗んだ。
ストレスでパチンコをする人はたくさんいるし、ついつい補填のためにキャッシングやローンをする人はもちろんいるし、それらは法にふれるわけではない。
この被告の場合、返すあてがない借金を作ってしまった時点で行ってはいけない悪の世界のライン上にたってしまったようなものだと思う。そのライン上にいると風が吹いたら悪の世界に簡単に入ってしまうことになる。この被告も普通のサラリーマンで犯罪傾向はとくにない、にもかかわらず強いストレスがかかってしまうと自分でも思いもよらない行動をしてしまうのが人間なのだ。
借金の理由が妻との不仲に向き合えない現実逃避がまわりまわって犯罪となる。
家族とうまくいっていない、借金がある、ギャンブルをしてしまうなど一つ一つは誰にでもあること。目の前の人としっかりとむきあうこととストレス発散の散財には十分すぎるくらい注意が必要だ。