愛媛県今治市に2018年に塀のない刑務所から脱走し20日以上捕まらなかった事件で有名になった大井造船作業所がある。
株式会社新来島どっくという会社の敷地内にその塀のない刑務所施設がある。外部から見られるわけでもないだろうけれど、愛媛旅行に出かけたついでに回りの雰囲気だけでも見ておこうと車を走らせた。
当日は土曜日だったので作業所もひっそりとしているはずと予想していたところ、何やら門の前の駐車場は多くの車や家族連れで人口密度が高かった。
様子がおかしいと門を見たところなんと「新来島どっく感謝祭」が開催されていた。3年振りの開催だったそう。
たまたま外から様子を見るだけのつもりがこんな幸運に興奮し早速なかへ。
入口ではノベルティの新来島どっく保冷バックを配っていた。私は緑を選びました。
新来島保冷バック、ウエットティッシュ、マスクのお土産。抽選券も入っていましたが残念ながら当たりませんでした。
造船所なので、建物からクレーンから何からスケールが大きくて圧倒されます。
少子化なんて全く感じられないほど、子供連れ、家族連れ。屋台も長蛇の列。
高所作業車体験コーナーもあり、高さが尋常じゃない。怖すぎる。
船の底?これを見ることが出来るなんて貴重!
工場なのでこういった安全確認の看板もある
無災害記録表は目標200日のところ163日達成中。
ということは164日前には災害があったのでしょうか。やはり危険が伴う仕事なのでしょう。
特定化学物質等取扱者専用洗浄設備。危険な仕事に従事されている人がいることに意識がいき身が引き締まります。
大西工場平面図
工場の外の屋根下には部品が置いてあります。
これが塀のない受刑者が寝泊まりする「友愛寮」
小学校の校舎といった雰囲気で言われなければ受刑者が生活する建物とは思えません。ただ入口の「技術の前に心を」と刻んである石碑が刑務所感があります。
受刑者は、他の作業員とヘルメットの色が違うそうです。工場の社員と思われる人に聞いてみたところ、受刑者ばかりの部署があるわけではなく、色々な部署に受刑者が配属されるそう。
工場の隔離された場所でまとめて受刑者が作業をしているのかと予想していましたが、確かに社会復帰には様々な人とかかわった方がよいですね。
友愛寮の中までは見られませんが、内部の写真を見ることができました。ドミトリーと変わりませんが、毛布のたたみ方に刑務所感が出ています。
工場の中まで見ることが出来ました。
また出来たばかりのタンカー船の内部を見学することも出来ました。タンカー船に乗る機会はまずないので超貴重な体験。
配管がすごい
船から見た造船所。左側の白い建物が友愛寮。
船の内部。操縦席の写真はSNSへのUPを禁止されています。
emergency shower のスペースが危険な物を運ぶ船であることを思いおこさせます。
ここから化学薬品を注入する。このタンカー船は23個、このようなタンクがあるそうです。
最後は餅撒きと抽選会。餅撒きはノベルティの保冷バックを受け皿にしてたくさん取っている強者もいましたが、さすがにこの人混みでは一つもキャッチ出来ませんでした。
社員食堂にも入ることが出来ました。鯛めし300円と猪豚鍋100円。元々どこかで鯛めしを食べようと思っていたのに偶然社員食堂で安く食べられるなんて思ってもみませんでした。
社員食堂で気さくな雰囲気が出ている社員と思われるおじさんがいたので、勇気を出して受刑者もこの食堂で一緒に食べるのか聞いてみたところ、食事はどうやら違う場所で食べるようでした。
社員の方は、食堂で丼物やカレーなど250円で食べられると説明していただきました。
最後にこのおじさんが、唐突に名刺渡しておきますねと渡された名刺を見たらなんとこの造船所グループの3社の代表取締役だったというオチがありました。
最初から最後まで大興奮の新来島どっく感謝祭でした。