「NHK ETV おひとりさま 笑って生きて、笑って死にたい」という番組を見た。
このETV特集は、一人暮らしで病気があっても入院せず、自宅で最期を過ごしたい人をサポートする病院のドキュメンタリーだった。
登場する人物は、末期がんだったり痴呆症だったり、いずれも一人暮らしの患者。
その患者を支える医師や介護士が、出来る限り患者本人の意思を叶えようとして一生懸命サポートしている姿が、孤独死や私達がうすぼんやりとした老後の不安に希望を与えてくれたと思う。
特に印象深かったのは医師介護士など6-7人くらいで、患者の人生会議を行っていたシーンだ。
この患者はこの後何をしたいか、どんな人生を送りたいのか、その送りたい人生をどうサポートしていくのかを話し合うのが人生会議だ。
登場した患者は自分が残りの人生をどうしたいという意思をハッキリと持っていた。
だからこそまだ一般的ではない、自宅で最期をサポートする医療にたどり着いたのだと思うし、一人暮らしだが多くのスタッフに支えられて終末期を自分の意思で生きていた。
この姿から非常に学ぶことが多い。人生会議は、高齢で病気になってからするのではなく、若いうちからしておけばよいのではないか。
まずは、一人人生会議から始めればよい。
自分は誰とどう生きたいか、またこの意思を誰と共有しておきたいか。
私達は日常に忙殺され、こんな大事な課題に正面から向き合っていない。
この作業は、ある意味死とも向き合う必要があるので負荷が高い。
孤独死が怖いから婚活をする人もいると聞くが、結婚すれば孤独死を回避出来るわけではない。
結婚してもしなくても、子供がいてもいなくても、誰かがなんとなくの不安を払拭してくれるわけではない。
自分に向き合い人生をどうしたいのかの心の奥にある意思をじっくり見つめ、まずは一人人生会議から始めよう。