傍聴をして知ったことの一つに、性犯罪の多さがある。
性犯罪は、そもそも泣き寝入りが大半で裁判になっているのはごく一部。しかもマスコミに報道されないので、一般の人には知らないままになっている。
性犯罪でも、被告の年齢が高いのも驚き。
今回の被告は見た目70代後半。しかも車椅子に乗っており、腰が曲がっているかなり小さなじいさん。この人が強制わいせつ?と思ったが、手の込んだ驚くべき犯行だった。
探偵を装った被告人は、日中ラブホテルから出てくる不倫と思われるカップルに目を付け、女性一人になったところで事前に用意していた「探偵の行動報告書」を女性に手渡す。
ホテルに出入りしている写真を家族に送りつけることをちらつかせ、「探偵を付けるのに探偵一人あたり7万5千円かかる。3人探偵がついている」と脅し、困った女性は被告人の車に乗ってしまう。
女性はそんな大金払えないと言うと「ハグさせてくれたら許してあげる」と車内でキスや直接胸をさわるなどエスカレート。
その上「これに履きかえろ」と被告人が持参したショーツに履き替えさられる。
「行動確認表」を破り、写真のフィルムも返したそうだが、後日、履き替えた女性のショーツが被告人宅で見つかる・・・。
用意周到すぎる犯行にも驚くし、入院して車椅子に乗ったじいさんにしか見えない目の前にいる被告の姿とのギャップ。
70代後半でも、悪事を働いてでも性欲を満たしたい人がいることに驚きを隠せなかった。
被害者は被害者参加制度を利用し、弁護士の横に遮蔽された空間から裁判に参加していた。不倫に至った経緯は分からないけれど、結果的に家族にばれるし、こんなじいさんに被害にあってどうしようもない気持ちが絡み合って、まさに人間の業が入り混じる事件だった。