裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

強姦ナンパ師のナンパテクニック

先日傍聴した強姦イケメンナンパ師の公判の続きを傍聴することが出来た。

 

今回は被告人質問。既婚でアラサーの被告人は約10年間、多い時は週3-4回ナンパがライフワークになっていた。

 

被告は通学時、駅まで自分を見に来る女性ファンがいたエピソードも交え、自分のルックスにもナンパテクニックにも自信があると豪語。

 

ナンパしたい男性にはそのテクを、女性はテクの裏側を知っておくため、被告流ナンパテクをまとめておく。被告直伝のナンパテク披露は、ナンパ塾に行かないと教えてもらえなさそうな、なかなか具体的で再現性がある内容だった。

 

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性犯罪被害者が低年齢化している問題

裁判傍聴して最初に驚き、これからも増々被害が深刻化していく問題の一つとして、性犯罪の被害者の低年齢化がある。

 

登下校中を狙って面識のない小学生が被害者になってしまうパターンもあるが、もっと深刻なのは知っている大人(親、兄弟、先生、学校関係職員、学童職員等々・・・)が加害者になっているパターン。

 

知っている大人だからこそ、最初は何をされているかもよく分からず、「何かいけないこと、気持ち悪いこと」をされ不快感や恐怖を感じるのだが、加害者に口止めされる。

 

被害者と日常生活で継続的に会う関係の為、何度も行為が繰り返され、被害者の体の成長と共に行為もエスカレートしていく。

 

例えば、最初は服の上から触る程度が、だんだん直接触るようになり、被害者は何をされているかも理解しないまま性交をさせられている・・・。

 

検察官が読み上げる被害者女児の「おとうさんが、私のおしりの穴におちんちんを入れて、おしっこをしました」という供述調書を聞いた時には、胸がはりさけそうになった。

 

もちろん「おしっこ」というのは射精のこと。 小学生低学年の子供が自分が何をされているのか、何が起こっているのか理解もできないのは当然だ。

 

具体的な解決方法など全く思いつかず心を痛めているだけの私だったが、助産師・ナースで小中学校・高校で性と命に関する講演をしている女性がいることを知った。

 

彼女の名前は大貫詩織さん。

 

「子供たちが"知らなかったから"という理由で傷つくことがないように正しい知識を伝え、困った時に相談できるスキルを身につけられるように話している」

 

大貫さんの話によると、世界基準では性教育は5歳から。そして、最初は体の部位の名称を正確に教える。

性被害にあってしまった時に名称も分からなければ被害を人に伝えることも出来ないし、知識がなければ自分が性被害にあっていることすら分からず、大人になってから気付き、トラウマを背負う人も多くいるそう。

 

まさに、先日私が傍聴した「おとうさんがおしりのあなにおしっこをした」という供述は5歳から国際基準の性教育を受けていれば、顛末が少しは変わっていたかもしれない。

 

性犯罪の裁判は、被害者特定事項の秘匿事項(被害者氏名住所等、被害者が特定できる事項を傍聴人に公開しないこと)となり、基本ニュースにならないし、加害者が身内だと必然的に被害者も分かってしまうため、加害者の名前すら開廷表に表示されないケースもある。

 

性犯罪はそもそも裁判になるケースが氷山の一角だし、その裁判も秘匿事項の為、社会にまで実態や問題点が届かない。

 

大貫さんのような活動がもっと広がり、せめて日本の性教育が国際基準にあわせることは必須なんだろうと思う。 

 

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苦肉の一夫多妻制を実現した男

中川俊直議員のハワイ重婚写真騒動の時、こんな短絡的な人がいるのかと呆れ驚いたが、ハワイで挙式どころでないトンデモ重婚騒動が法廷で繰り広げられた。

今回傍聴したのは、だまされて離婚届けを書かされた妻側からの訴訟。

夫は、不倫した女と子供まで作り、さらに不倫相手と結婚するために、妻に「自分はヤミ金に借金があって結婚してると危険が及ぶ。形式上なので離婚届書いて。落ち着いたら籍戻すから」と突然言われた妻は、役所に提出する前に知らせる事を前提に形式上ならと離婚届けに署名。

妻が離婚届をすぐ応じるよう、妻の勤務先にも事前に自作自演のヤミ金からの脅し電話をかけ妻を怖がらせている。


離婚届はすぐに提出されないと認識していた妻は知らない間に自分が離婚していることになり、半年後に勤務先から自分が離婚していることを知らされた。

夫は妻を騙して書かせた離婚届を翌日提出し、その翌日不倫相手との婚姻届と出生届を提出。

不倫相手の子供が産まれて約1ヶ月間
無戸籍状態で、ようやくお尻に火がついての行動、というわけだ。

夫は不倫中~不倫相手の子供が産まれるまで何年もあったのに、妻にも不倫相手にも良い顔をし、ずるずると問題解決を先伸ばしにしていた。

しかも、不倫相手はメンヘラで結婚は長く続かないはずだから、不倫相手と離婚し、また元の妻と結婚しようと思っていたと夫は証言した。


世の中に不倫する人は数多くいるが、どこかの時点で、何とか解決せざるをえなくなるはずだ。

ただ不倫相手の子供が産まれてなお、どちらも解決せず、ここまで流されるままな人がいることに驚いた。


男にとって不倫で一番都合の良い状態なのは「どちらも選ばない」こと。

ここまで問題を先送りし、「どちらも選ばないことに執着する人」にしたら婚姻届なんてただの紙。

未婚率が上がっている昨今、婚姻届の重さに身動きがとれなくなっている若者も多いだろう。こんな男から何か学ぶとしたら、結婚を重く考えすぎない心、まさに「結婚は紙切れ一枚」

突然自宅に侵入してきた男と同意のもとで性交渉?

今回傍聴したのはブラジル人被告が自宅アパートに住む別の部屋に鍵があいていたからと侵入し、声を出すなと脅して就寝中の女性を強姦した事件。

 

起訴状読み上げの後、被告は脅迫を否定し、性交渉も同意のもとだったと起訴状の内容を否定。

 

突然自宅に侵入してきた男と同意のもとで性交渉?

 

そんなばかな…

どうして大真面目にこんな釈明をするのか…

 

昨年俳優の高畑裕太が、宿泊先ホテルの従業員に歯ブラシを部屋まで持ってくるように頼み、強姦した事件があったが、その時も「合意のもとと思っていた」と言っていたことを思いだした。強姦事件の被告は同じ思考回路なのか…!?

 

話を元に戻す。

 

被害女性は、玄関の施錠を忘れており、さらに玄関ドアは立て付けが悪いようで鍵を閉めるのを忘れるとドアが開いてしまう状態だったらしい。

 

確かに玄関のドアが開けっぱなしになる状態なのに大家に修理を頼むなど改善を試みない女性にもなぜ?と疑問がわいたが、被告の論理だと、ドアが開いているので部屋に来てほしい=性交渉に誘っているということらしい。

 

 女性が少し胸の開いた服を着ているだけで誘っていると勘違いする男性がいるという話は聞いたことがある。ドアの鍵が開いているだけで誘っていると思われてしまうのなら、女性は生きているだけで誘っているとなりそうだ。

 

女性からしたら、こんな論理は想像の範囲を越えるが、法廷で大真面目にこんな主張をしている被告がいるのが現実。

 

女性の皆さん、近くにいる男性の中には、こんな想定外の論理で日常生活を送っている人がいるかもしれないと、頭の片隅に入れて用心深く過ごしてください。

 

 

 

 

 

安心して老人ホームで寝ていられない事件

被告は老人ホームの介護職員。

施設入居者の就寝中、部屋の見回り中の被告が部屋の引き出しに閉まってあった財布内のクレジットカードを盗み、なりすまして約1ヶ月間スーパーやコンビニなどで買い物を続けた。

一か月後に届いたカードの明細を被害者の娘が確認したことで事件が発覚。

被告はその介護施設に約6年間勤務していたが、日頃からパチンコやスロットが止められずギャンブル依存症で、自分のクレジットカードも停止されている状況だった。

なりすましてスーパーやコンビニで20回以上使用、使った金額の合計は約11万円。

被害弁償は母親が肩代わり。今回の事件で勤務先は懲戒解雇されている。

どうやってお金を親に返していくのかという問いに対しては「次の就職先はもう決まっている」との回答。

今回保釈されたのは三日前なのに、どのように次の就職先が見つかったのか…

なんと次の雇用主は、2回しか会っていない留置所で知り合った人物。

本当に就職話は成立しているのか心配していたが、弁護士から法廷にも本日その男性に来てもらう予定だったが急用ができくることができないとできなかった旨説明される。

留置所で会った何者かよくわからない人との約束はどこまで信用できる話なんだなんだろう。そんな口だけの話、履行される可能性は限りなく低いと思った。

仕事が決まっていないより決まっている方が裁判官への印象としてはよくなる。

就職が何も決まっていないよりは、ましかもしれないけれど常識から考えると実現可能性がどれぐらいある話なんだと疑問を持ってしまう。

被告人は前科なし。求刑は2年、弁護士は執行猶予を要望。

名古屋地裁、間もなく所持品検査始まる

名古屋地裁は今まで検査なしスルーで入ることが出来ていたが、とうとう7月4日から、所持品検査導入されることになった。

パーテーションで隠されているが、すでに一階のロビーに身体検査用のゲートが準備してある。

朝イチ、午後イチは混むだろうし、今までなかった検査が毎回あるのは慣れるまで鬱陶しく感じるだろう。

ただ、最近怖い殺傷事件も多いし恨みを持たれたり持ったりする関係性のある人が召集される場所でもあるので流れとしては、所持品検査は当然なんだろう。

裁判所のホームページより、
裁判所に持ち込めないものの代表例としてこんな記載あり

【例】
× 猟銃,空気銃などの銃器(模造物を含む。)
× 包丁,ナイフ,日本刀
× カッター,はさみ,カミソリ,缶切り, ペーパーナイフ
× ガスボンベ,スプレー缶,火薬類
× ヌンチャク,スタンガン,警棒,催涙スプレー,木刀

はさみもダメなのかー。結構厳しいなぁ。

気付かないことを利用するという罪

気づいたか気づいていないかは、心の中の問題なので外から見えるわけではない。

 

気づいたけれど気づいていないふりをすることもできるし、気づいていない方が都合が良ければ、気づいていないことにしてしまおうと思う気持ちは誰にでもある。

 

気づいていない方が都合が良い事態に遭遇した時、人は自分の心の中は他人には見えないので自分が本当は気づいていることは誰にも分からないだろうと思ってしまう。

 

今回膨張した民事裁判ではまさにその人間の真理が分かる内容だった。

高齢のおばあさんが、子や孫に何度もお金をあげると100万円単位でお金を渡し、兄弟間のその配分を巡っての争いだった。

 

元々はお金に執着があるおばあさんだったようだが、気前よく百万単位のお金をあげると言い始める。


親子なら、今までとの違いに気づくはず。ただ、その変化は自分達に都合が良い変化だ。

 

客観的な記録としてホームヘルパーの記録には痴呆も入っているという記憶がある。ただ、被告となった子供たちは、まったく地方症状は気づかなかったと証言した。

 

人はこういう状況に遭遇した場合、「痴呆は入っているかどうか気づくかどうかは自分の心の中の問題。言葉に出さなければ分からないだとだろう」と思ってしまうのだろう。


そして目の前のお金を優先してしまう。

 

そして心の声は
お金をあげると言われもらっただけ。自分は何も悪くない!


気づいていたら良くないことだけど気づいてなければ、仕方がないという行動。それならば気づいていないことにしておきたいこう思うのが人間なのだ。