統一教会の元信者の話、過去の裁判記録から勧誘の手口や信者の心の変遷を細かく辿ったNHK レギュラー番組への道「危険なささやき」を視聴した。
この番組のタイトルは最初「悪魔のささやき」だったそうだが、統一教会の抗議で「危険なささやき」に変更されたようだった。
抗議に屈したともいえるが、ここまで勧誘の手口などを詳細にTV番組にしたことは過去になかったらしく、番組が放映されただけでも大きな意味があったと思う。
宗教にはまる心の変遷を詳しく知る機会はなかなかないため、とても興味深く視聴した。
--------
なんとなくモヤモヤとして気持ちを抱えながら働いていた証言者が入信したきっかけは、街で手相を見せてと声をかけれたことだった。そこから「人生の転換期だ」の言葉で背中を押され宗教にはまっていく。
それまで学校や就職など人生をすべて母親が決めていて、自立したいと思いつつも自分で決めてこなかった人生。統一教会に出会って「これだ!」とアドレナリンが出たという。
自分で選んでこなかった女性が、ここで「自分で入信を選択した」と思わされていたのだ。
入信後2年8ケ月間、風呂も週1-2回しか入ることができない状態で全国への資金集めでハンカチを売り続けた。神のものを買えば救われるという教えをひたすら実行し続ける毎日。そうしないと地獄に落ちると必死だった。
女性信者の周りも同じ環境なのでこの過酷な状況を疑問に思うこともなかったそうだ。大変だったけれど批判されることもなく、上から言われたことをひたすら頑張ればよいのでラクな面もあったそう。
のちに家族や周りの人の助けで洗脳が解けてきたが、地獄に落ちると言われていたのでまだ怖い気持ちは残っていると証言していた。
--------
勧誘の手口や統一教会の内情などが一般市民にも知るきっかけになったこの番組は国民にとってとても有意義になったとともに、私にとってはこの番組で自分で自分の人生を決めることの大切さと難しさを改めて考えるきっかけになった。