裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

ナンパテクに絶対の自信を持つイケメンナンパ師の求刑

以前、続けて傍聴したイケメンナンパ氏強姦事件の論告弁論が行われた。

 

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【求刑】

2件の強姦事件で求刑6年

8年前の事件の為、現法律ではなく、当時の罪名強姦扱い。

 

【弁論】

・腕をつかむ程度は自然な行為

・口淫する際に被告が片手で被害者の肩を押した程度では被害者の自ら膝を曲げる動作がないと、しゃがむことは出来ない。

・ディープキスは、被害者側が自ら口を開けていないと成立しない。

・姦淫行為の最後にマンション住民と思われる目撃者に気付かれたが、検察側は、その目撃者を探す努力をしておらず証明が不足していると指摘。

 ・暴行は一切なく、無罪を主張。

 

被告の最後の一言は、「今まで色々な女性と関係を持ったが、必ず会話をして嫌だと思われている人に無理やりすることは一切なかった。この状況が信じられない。」

 

本当に自分のナンパテクに誇りを持っている被告だった。

ただ、一番怖かったのは、検察側が弁護人から目撃者についてなぜもっと詳しく調査しないのかツッコミされた時に、動揺し、しどろもどろすぎて、確実に「検察側は目撃者は見つからなかったことにしようとしていること」が分かる反応だった。目撃者の証言は検察側のストーリーにそぐわなかったのだろう。

この裁判で一番の学びは、実は「検察官にとって都合の悪い事は隠す」だったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

元モーニング娘 吉澤ひとみの飲酒運転事故にも共通する逃走の背景

 元モーニング娘 吉澤ひとみの飲酒運転事故のニュースを見た時、華々しい世界のアイドルが護送されている姿はギャップがあり、なかなかの衝撃だった。

 

車を運転していれば、事故を自分が起こしてしまう可能性もあるし、事故に巻き込まれる可能性もある。

 

悪意をもって行う犯罪とは一線を画しているようにも思えるが、交通系の事故でももちろん全員とはいわないが、交通ルールの規範意識自体が薄く過去に捕まったり罰金をとられていたりと予兆がある被告も多い。

 

その過去の違反というのが、信号無視や、免許不携帯、スピード違反を複数回重ね、罰金もすんなり支払わないなど、やはりベースに交通ルールの規範意識が薄いことから起きている出来事だ。

 

そして、過去に傍聴した中でも、自動車事故を起こして一旦逃走してしまうのには、事故とは別にばれると困る事柄を抱えているという理由がある。飲酒運転してしまっている、覚せい剤大麻が体に残っていたり所持している、無免許・・・

 

「事故とは別に隠したい事柄」が救える命を救えなくなってしまうかもしれないのだ。そしてその事情は、事故単独とはまた別の事情であり、その事情はおおかた、被告の規範意識が低いことにより発生している事情である。

 

傍聴にはまる前は、交通事故は、他の事故とは違って偶然だから被告も運が悪かったね、くらいに思っていたが、交通系の事故も特にひき逃げは背景に被告の規範意識の低さから起こるべくして起こる場合も多く、今回の吉澤ひとみも、過去に事故を起こしているし飲酒運転をしているので、その事例の一つと言える。 

痴漢の間違った問題解決方法

捕まったことによって、痴漢が治った人はいるのだろうか。

傍聴すればするほど、痴漢は治せるものではない、痴漢をやめさせることが出来る方法はないという確信が高まっていく。

今回傍聴した被告は前回服役もしており、今回5回目。

今回父親が情状証人として出廷。
過去の裁判時と異なるサポートをすることを裁判長にアピールしなければならないが今までと今回のサポートの違いは、「医療のサポートを受けさせること」と証言。

もう5回目なのに、今のタイミングでようやく「医療とつなげる」の証言。

1-3回目までは出所後、地元の大阪、親の監視の元だったが4回目は被告が大学で過ごした名古屋に住まわせることに再起をかけたとの父親談。理由は、被告が大学で名古屋に住んでいた時は痴漢の問題行動がなかったから、名古屋に住ませることで、痴漢をしないことに繋がるのではないかと思ったそう。しかも息子に父親が、名古屋にマンションの一室を購入している。

被告は新卒で金融関係の会社に就職したということだったし、父親も息子にマンションの一室を買い与えられるほど、世間一般で言えばきちんとした人間に分類されるだろう。
にもかかわらず、第三者から見れば、全く電車もないような地域ならともかく、名古屋に住むことが痴漢しないことにつながると考えること自体、そんなバカなと思うが、悩んで出した解決方法だったのか・・・。

父親は、名古屋に住まわせておくことは出来ないので、息子は大阪に戻すと言っていたが、親子で今までのループを抜け出しすためにも痴漢は治らないことを前提にして、痴漢をしたくても出来ない環境に置くなど別の問題解決の方法で何とか更生してほしいと思う。

9月の名古屋地裁裁判員裁判

毎月1日に、裁判員裁判の情報が公開される。

 

9月の裁判員裁判傷害致死1件のみ。

7月・8月は裁判官の夏季休暇の関係で少ないので、9月に入ればもう少し多く裁判員裁判があると思っていた。

 

名古屋地裁裁判員裁判も裁判全体数も、今年に入ってから体感として随分少ない。最近検察官の異動が多い為、スケジュールが滞っているのかと思っていたが、急激に愛知が平和になるとは思えないし、なぜ最近公判数が少ないのか気になっている。

 

裁判で垣間見れる夫婦の実態

離婚の裁判では、目の前でこんなにお互いを陥れ、嘘にまみれた争いが繰り広げられているのだが、まだ別居していない夫婦であれば、同じ家から出てきて法廷でバトルしてまた同じ家に帰る。なかなかの地獄だ。

 

一度は永遠の愛を誓った二人だが、少しでも自分が有利にジャッジされるようお互いがお互いを責め、尋問では嘘をつきまくる。

 

離婚裁判は刑事事件のように圧倒的分かりやすい悪事と証拠があるわけではない為、細かな事柄を一つ一つ証拠やエピソードとして裁判官にアピールするのだ。

 

例えば、夫側が、妻がいかに「悪い母親」という事をアピールする場合、朝子供に食べさせるメニューが(食事の準備がいらない)くだものばかりだとか・・・、妻が子供をしかる時長時間叱責しすぎるとか・・・。

 

そして妻側は反論として、朝食は果物以外にも食べさせているとか、叱責するといっても何分くらいだとか、こういったバトルの一つ一つが細かすぎるのだ。そして浮気の追及では、最初認めずLINEの証拠が後から出てきても開き直りと逆切れと攻撃。

 

お互いがお互いを攻め合う法廷では、人間が本来持っているけれど隠している部分が露呈する。

 

人間は元々自分勝手で自分の都合の良いように行動するもので、その部分を隠して何とか社会生活を送っているのだと改めて思い起こされる。家の中までそんなにうまく隠せるわけでもなく、実質うまくいっている夫婦のほうが少ないんじゃないかとも思う。こればかりは統計の取りようがないので証明は出来ないが。 

子供を持った責任は死ぬまで続くがその責任で問題が解決される訳ではない

被告の情状証人で親が出廷することはよくある。

被告が中年以上だと、当然親は高齢だ。

 

子供を持つ責任は重いが、子供が成人した後も自分が死ぬまでは責任がつきまとうのだと改めて感じる。

 

涙ながらに

「なぜこんなことになってしまったのだろう・・・」

「私の育て方が悪かったのか・・・」

と訴える母親を見ることもあるが、一方、他人事のように話す親も多い。

 

まだ情状証人として出廷してくれるだけ親としての任務を果たそうとしているのであって、再犯を繰り返している被告は特に家族も見放しているようで出廷も傍聴もしない親も多い。

 

情状証人で出廷しているにもかかわらず、事件のことについて被告と話あったこともないし、これからどう被告をサポートしていくかも具体的な案がないといった具合だ。

 

普段からお互いのことを詳しく話している親子の方が少ないと思うし、普段の生活で何か困ったことが起きた場合、親に相談するかというと親以外の人間関係で解決する人の方が多いかと思う。親も「自分は親なのだから何とか責任を果たさないと」と思うけれど、実態は親子で分かりあって心が通じて元々ある問題が解決していくわけではない、そしてまた再犯となる、そんなループが見える。

 

親の側も親なりに責任を果たそうとしているが 、被告もその時は親に悪いと思いながらも日常生活に戻っても結果再犯に走るのを何度も見た。

 

まわりに迷惑をかけて申し訳ないという被告の気持ちや、親の何とか子供を更生させなければという気持ちだけでは本来の問題が解決するわけではないのだ。

 

裁判を通して家族とは何かを考える

「家族」という言葉から連想されるものは、絆とかひとりぼっちじゃないとか、助け合い、とか・・・
なんとなく温かみのある言葉だ。

もし自分が自分の家族からその温かみを感じていなくても、人に堂々と言ったりすることは何となくはばかられる風潮がある。
だからこそ、自分にも家族の存在を温かみのある存在として暗示をかけている。
無意識でも自分に対しても家族に対しても対外的にも「家族のイメージ」を演出している。


情状証人の家族、例えば母親がテンプレートのような質疑応答がある。

検察官:「息子さんが逮捕されたと聞いてどう思いましたか?」
母親:「頭の中が真っ白になり、信じられませんでした」

検察官:「息子さんがこんなことをしているとは知っていましたか?」
母親:「全く知りませんでした」


特に性犯罪の場合、母親が息子の性癖は知らないだろう。
被告も家族には性癖を隠している。

平穏な家庭を運営するために、家族の不穏な行動に気付く事が
あってもまさかと思う。

刷り込まれている家族を演じる為に、家族を構成する人それぞれが
見たくないものを見ないことで、家族同士は本当は何も知らないという実態がそこらじゅうにある。

家族を神聖化しすぎた結果のひずみが裁判で見えてくる場合がある。