裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

反省をまずは外見から見せる

先日、「直撃!シンソウ坂上」という番組で、診療報酬不正受給で執行猶予中の脇坂英理子が出演していた。

最初は不正の手口だとは知らなかったとか、不正受給したお金をホストクラブ通いには使っていないなど釈明をしたが、坂上忍や他の出演者からは、事件前と変わらない派手なメイクや胸の空いた衣装のダメ出し。

出演を承諾したのも釈明をしたいということであり、釈明をしたいということは世間の人に自分の主張を認めてもらいたいということだ。

罪を犯した人がその罪に付随する自分の主張を認めてもらいたい場合、罪の部分をしっかり反省していることを見せる必要がある。罪の部分はしっかり反省していますといくら口で説明しても、以前と変わらない派手な服装とメイクで言われても、人の心は納得しないものである。

このテレビ番組に出演することが、世間の人に釈明し自分の説明を納得してもらいたいということであれば、ファッションなど自己表現はさておき、地味ないで立ちで演出と自分を納得させれば、元来の出演目的を果たせたのにと思う。自己表現もしたいし、釈明をしたいと欲張った結果である。


このようなことを考えていたところ、先日傍聴した窃盗の被告が、南海キャンディーズの山ちゃんの赤いメガネをもっと明るい赤に、縁の太さももっと太い、そして髪型はひょっこりはんのようなうけを狙っているのかとしか思えない風貌をしていた。

拘留の身なので、髪の毛をおもしろくセットも出来ないし、メガネも普段からかけているものだと思うが、おもしろメガネとおもしろ髪型に意表をつかれた。ちなみにお金がなくなって近所のラーメン屋からチャーシューを盗んだという事件。何度もチャーシューがなくなった被害を受けたラーメン屋さんはお気の毒だ。

悪いことをした人には何をしてもよいという心理

自身の子供に接触事故を起こした交通事故の謝罪に訪れた女性を、自宅の駐車場に停めた社内で強姦した事件をニュースで知った。

 

数ある事件の中でも相当悪質で、許せない気持ちになった。

ただ、裁判を傍聴する時や事件のニュースを聞いて、理解は出来ないが一応の被告側の論理を自分なりに考えるようにしているので今回も、許せない気持ちは置いておき考えてみた。

 

誰でも「こんな悪いことをした人は何をされても仕方がない」という論理はないだろうか。「ネット私刑」も論理は同じだと思う。こんな悪いことをしたヤツには何か制裁を加えないといけないと思ってしまう誰でも心の片隅にはある考え。

 

その考えはごく普通だが、「制裁を加える」という部分を飛躍して、しかも自分の曲がった欲望の対象者として今回の被害者を利用していると考えると、それほど間違っていない解釈だと思えた。

 

ネットで誹謗中傷を書きこんでいる人、店員のちょっとしたミスや、単に自分の思い通りのサービスを受けられなかったというだけでここぞとばかりクレームを言っている人・・・。これらは、すべて同じ論理ではないか。

 

通常の日常生活ではとうてい受け入れらない自分の曲がった欲望をぶつけてもよい相手を探している人がある一定程度いるのだ。今回の容疑者はその中でもさらに極端な例だが、「自分の曲がった欲望をぶつけてもよい相手を探している人」は日常に潜んでいる。

 

ごく普通の人でも大なり小なりその感覚は持っていて、自分が無意識のうちに加害者になっていることもあるかもしれないし、被害者にもなりえる。

特にこの問題はパワーバランスの違いがあると起きやすく、パワハラやセクハラ、クレーマーなど日常で起きている問題と根源は同じだと思う。 

拘置所差し入れで買える物リストから考える

木嶋佳苗の拘置所日記に、拘置所差し入れで買える

自弁物品購入価格表が掲載されていた。

 

普段なかなかお目にかかれないリストなので、どんな物が購入できるようになっているのか興味深かった。

まず、日用品部門のリストではシャツや下着、文房具等は予想通り。

 

気になったのは・・・

白糸、黒糸(衣類補修用)・・・針やハサミは借りるのだろうか・・・

 

ルービックキューブ・・・リストの中で娯楽になりそうなものはこれだけだが、なぜルービックキューブがリストに選ばれたのか・・・。

しかも2376円、高い!

 

・スポーツブラ(女子用)・・・サイズの選択がない。女子のブラがワンサイズなんてありえない!

 

生花花びん写真たて・・・最低限の持ち物で生活する拘置所で、この3つがリストに入っていることにハッとさせられた。

 

人間の本当に大切なものは、生花花びん写真たて(もちろん写真に誰が写っているかということだが)を通しての心の平穏なのかもしれないということに気付かされた。

名古屋地裁のコンビニが閉店

名古屋地裁のコンビニがいつの間にか閉店していた。

 

名古屋地裁の地下にあるコンビニは、普通のコンビニと違って

不思議な品揃えだった。

 

驚いたのは、黒い革靴が何足も売っていたこと、写経セットがあったこと、昭和時代?のビンのコカコーラが売っていたこと、離島の唯一の食料品店で売られているようなお菓子が売られていたなど、味わい深いコンビニだったのだ。

 

職員も建物内にあったコンビニがなくなったのはかなり不便だろう。

 

写経セットが売っているコンビニというだけで、普通のコンビニに行く感覚とはまた違うテンションで来店していたのだが、あのコンビニがなくなったかと思うと残念だ。

良い弁護士と悪い弁護士

〇〇号室の法廷は、△△裁判官、そしてその裁判官と検察官は基本的には同じ組み合わせである。

そして弁護士は公判によりバラバラ。

 

弁護士は沢山いるが、キャラが強烈な弁護士がいたり、頼りなさそうだったり様々。

 

驚いたのはやくざがらみの事件につくやくざ専門?の弁護士がいることだ。風貌もいかつく、目立つのだがその弁護士の担当する事件はいつもやくざがらみである為、やくざ専門の弁護士だと理解している。

弁護士は立場が弱い被告の弁護をするという志を持った人がなる職業だと思っていたが、弁護士という資格を利用してやくざの一部として機能しているというのは衝撃だった。

 

やくざ専門の弁護士には一般人はお世話になることもないが、万が一何かでお世話になるかもしれない弁護士。

傍聴してきた中で一番はずれだと思う弁護士は感情的になる弁護士。

裁判長に悪態ついたり、喧嘩腰だったり、わざと物を投げるように渡したり、論理的に対処しない・出来ない弁護士にはお世話になりたくない。

 

裁判長が判決するのに、その判決を左右する裁判長に論理的な展開を見せず、感情をただ放出する弁護士。

 

裁判員や裁判官の感情をうまく利用するのが良い弁護士だと思うが、自分の感情を単に放出しているのは弁護士の仕事をしていないといえる。

 

自分の感情、人の感情を熟知して依頼人の利益を最大限に引き出すのが良い弁護士だと思う。

ナカイの窓×法廷で裁判特集

ナカイの窓で5/3「ナカイの窓×法廷」が放送された。

 

法廷ゲストは以下の通り。

 菊地幸夫(弁護士)

 清原博(元裁判官・国際弁護士)

 若狭勝(元検事・弁護士)

 榎本よしたか(法廷画家)

 阿曽ちゃん(傍聴マニア)

 

阿曽ちゃんの実際にあった裁判のおもしろネタの披露や、法廷画家が、さらっと描いた絵を披露。

 

出演した法廷画家さんは法廷では水彩の色付けるまでは傍聴席では無理と言っていたけれど、私は水彩で色までつけてる法廷画家さんを見たことがある。画家さんによってもやり方は違うのだろう。しかも出演した法廷画家さんのギャラは1枚1万5千円~と告白。

 

東京でその値段なら、地方ならもっと安いのかも。絵を描いている時間は短いけれど、法廷画家さんも傍聴券の列に並んでいるし定期的な仕事というわけではないのにギャラもうちょっとあげてほしいと個人的な感想。

 

若狭さんが、ウソを見破るコツとして人がウソをつく時に言葉や態度にちょっとした違和感が出てその嘘反応に着目すると言っていたが、政治家はその嘘反応が出にくいらしい。常にウソを言っているので反応が出ないとの事。

 

話の内容より、嘘反応を見るようにするということのようだ。ウソばかり言っている人はウソを言うこと自体が日常になっていて嘘反応が出にくいのが注意点。

 

自分も数多く傍聴しているので、ナカイの窓の法廷の回で紹介された内容はだいたい知っていることだったが、これから傍聴する時や日常で人の話に違和感を持った時は嘘反応が出ていないか用心深く観察しようと思う。

 

 

悪事を起こした人への個人的な気持ちと社会全体を思う気持ち

芸能人有名人が事件を起こしたら、ワイドショーでは毎日話題になりネットでも事件の事ばかりが目に付くことになる。

誰もが発信できる今の時代、それぞれの意見を気軽に発信できるため、自分の意見もネットやテレビで放送されているものと同化してしまう。

事件を起こしたこと自体は良いか悪いかで言えば当然悪いわけで、その事件を起こした人のことを悪く言うのは簡単だ。

 

しかもワイドショーでは、普通に事件を起こした人を悪く言うだけでは意味がなく、コメンテーターはそのコメントがネットニュースになるようにインパクトを与えるよう工夫をする。

一般人が思うよりさらに上を行く強烈なダメ出しをして、視聴者をスッキリさせる。もしくは大多数の意見では埋もれてしまう為、擁護や反対意見を言って目立つ。

 

何か意見を言わなければならない、そしてその中で自分を目立たせる為のコメントなのだ。

もちろん、悪いことをした人を憎む気持ちや制裁を受けてほしい気持ちは自然な感情。

ただ実際には、その悪事を起こした人が死刑や無期懲役にならない限り、社会で生活しなければならない現実があり、いわゆる私刑を受けて社会復帰が出来ない程の制裁を受けたら、再犯を起こしさらに社会の混乱を招くことに直結するのだ。

 

コメンテーターは意見を言うことで自分をアピールする側面もあることを理解しておき、一般人はネットやテレビの意見に引きずられることなく、社会全体を思う気持ちで起こった事件について考えることが大切だと思う。