裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

「事件を起こした原因はストレスです」はウソではない

当たり前だが被告は、事件を起こしてしまった原因を自分なりに反省し次どうしたら事件を
起こさないかということを自分なりに考えなければならない。

裁判では、当然原因が何だったかと今後の再発防止をどうするかを被告人質問で説明を求められる。

まず、事件を起こしてしまった原因の多くが「ストレスです」という回答。特に性犯罪ではそれ以外の原因と証言していた被告がいたかどうか思い出せないくらい。

でも、「ストレスが原因」と回答しても裁判官をふくめ誰もそれでは納得してくれない。「ストレスは誰でもありますよね」「今後またストレスがたまったら
事件を起こしてしまうんですか?」と突っ込まれてしまうだけ。そこで苦し紛れに今後はストレスをためないようにしますなどと具体性を欠く答えを述べるにとどまってしまう。

被告がよく言っている「ストレスが原因」という説明は、誰も納得してくれないけれど、多くの被告が言っているので嘘ではないんだろうと思う。

この事実をもう少しかみ砕いて考えてみた。人はみな、社会生活を送るために、ある程度自分を抑えて生活している。素の自分があって、その上に社会生活を送るために装ったり隠したりするイメージ。「ストレスが原因」で事件を起こしてしまった被告達は、素の自分が弱かったり、自分勝手の度合いが他の人より強かったりで、社会生活を送るために装ったり隠したりするパワーが、一般人より必要なのではないかという仮説。

だからストレスで、装ったり隠したりするパワーが減ってしまうと弱くて自分勝手の度合が他の人より強い素の部分が出てきてしまうという図式。

「事件を起こした原因はストレスです」はウソではない。

ストレスは誰でもあるじゃないかと一蹴するのではなく、この図式を自分の生活に生かすと、付き合う人の素はどんな人なのか、無理に装ったり隠したりして
演じていないか、誰でも装ったり隠したりする部分はあるが、ストレスがかかりその制御が難しくなる状況で顔をのぞかせた「その人の素」はどんな人なのかというのをよく見極めながら人と接していくことが必要かと思う。