裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

どれだけ謝罪をされても怒りが収まらない理由

裁判でよく出てくるワード「謝罪文」

被告人が被害者に送るものだが、そもそも受け取ってもらえないことも多い。

 

被害者と加害者が全く面識がない場合もあり、少しでもこんなひどいことをする理由や背景、謝罪を期待して、複雑な気持ちをかかえながら被害者が謝罪文を受け取ったとしても、「言い訳がましい」「罪を軽くするために書いている」「弁護士に書かされているだけと感じた」という被害者の感想ばかりだ。

 

謝罪文を受け取って「反省している様子が分かり少しは許す気持ちになった」という話を聞いたことがない。被害者からしたら、加害者が何をしても怒りがおさまることはないのは自然な現象だと思う。

 

事件発生時から、様々な取り調べを受ける時も、裁判中も、裁判が終わってからも、ずっとずっと被害者は様々な感情と共に、この怒りを持ち続けている。

 

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先日、論文を読み解く、NHKのろんぶ~んという番組で、「謝罪」がテーマの回があった。

 

まず、「怒りというのは左脳の前頭部が活性化し、左右の脳活動がアンバランスになる状態のこと」だそう。

 

謝罪ありとなしで怒りの体反応「脳波・心拍数・汗」、心反応「攻撃性・不快感」を反応実験したところ、「汗」「不快感」については謝罪有無関係なく反応があることからも、謝罪が怒りのすべておおさえるわけではないことが実験結果からも分かった。そもそも、謝罪されても怒りが消えるということはあり得ないのだ。

 

とはいえ、謝罪は、被告・被害者にとって重要なアクションであることには変わりない。

 

謝罪に大切なことは「責任承認・悔恨・保証解決策」

謝罪でしてはいけないこと「正当化・言い訳・問題の軽視・逆ギレ」

 

 これらの要素を十分注意しながら、また何を言われても被害者にとっては「正当化・言い訳・問題の軽視・逆ギレ」に聞こえてしまうことを念頭において謝罪をしなければならないんだと思う。

 

また、人間生きていれば誰かの怒りにふれることはあるので、このメカニズムを理解しておくことはいつかは役に立つはずだ。