裁判傍聴から人生を学ぶココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

お金の使い方は人生そのもの

判決言い渡しの後、判決の理由の説明があり、最後に裁判長からひとことメッセージが添えられる。

 

そのメッセージは、テンプレートのようになにも心に響かない(多分、被告にも響かない)場合も多いが、裁判長によってこの一言に特色があり、このメッセージで裁判長の人柄を少し見ることが出来たり、気付きがあったりする。

 

今回、窃盗を何度も繰り返している被告への判決言い渡し後、裁判長が言ったメッセージはこんな内容だった。

 

「前回出所後、生活保護費内で何とか生活費を工面できるよう、パチンコをなるべく行かないようにしたり、ビールの本数を減らしたり、自分なりに工夫しているところは評価できます。あなたはそういったことが出来る人なので、今回の出所後も、なるべく生活保護費の範囲内で生活するよう工夫してみてください。」

 

被告になってしまう人は、世間一般の比率からしてお金に困っている人が多い。生活保護費内で生活をするのは当たり前に思えるが、それが出来ていない被告人が多いということだろう。

毎日毎日被告人と向き合っている裁判長からしたら、生活費の工夫をしようとしている時点で他の被告に比べて更生の望みがあるということのようだ。

 

 日々をただ生きているだけだと、ほぼ無意識に「ビール飲みたい、パチンコしたい」という目先の欲望を満たす行動をしてしまうのだろう。収入の範囲内なら目先の欲望を満たすのみの行動でも本人の自由といえば自由だ。

 

ただ、目先の欲望を満たすのみの行動ばかりをしていても、人生全体を考えると多分むなしくなる。

 

「自分は何に幸せを感じ、何を優先する人生を送りたいかをじっくりと自分自身に問いかけ、その優先順位を意識しながらお金を使う」

 

これは別に被告に限った話ではなく、誰もがよい人生を送るために心がけるべきポイントだと今回の裁判長のひとことメッセージからの自分なりの考えた傍聴での学びだった。