ココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

まともな人間でいたいと思う欲望との戦い

傍聴している公判で、ある一定程度の割合で介護殺人事件に出くわす。

 

私が今まで傍聴した介護殺人では、比較的介護を初めて初期の段階で事件が起こっている。そして、その被告の周りには、介護に無関心な他の家族、見て見ぬふり、一人で頑張ってしまう被告、自分の範疇を超えて介護を頑張らなければならないという呪縛・・・、どの事件からもこの要素が浮き彫りになってきた。

 

介護にかかわらずだけれど、「〇〇でなければならない」という呪縛は、閾値を超えてしまうと、大変な事件になってしまうことがある。

この気持ちは自分の中の思いなのに、自分で自分を苦しめ、とりかえしがつかなくなってしまう。

なぜ、「〇〇でなければならない」と思ってしまうのか・・・。育ってきた環境や「世間」というよく分からないものからの圧力からそう思い込んでしまっているだけなのだとしたら、まずは自分が苦しんでいることを自覚する。

そして自分はどうこの状況を改善させることが出来るのか、そういうことを考えることができるかどうかが大きな分かれ目になってくる気がしている。

 

「自分が苦しい時、苦しめているのは『〇〇でなければならない』という自分の思いこみかもしれないと考えることが大切」

 

介護は、誰でもその状況に苦しむことはありえるので、こういった身近なテーマから起こる事件から学びをえることは多い。

 

 

今年初傍聴は空振り

今日、張り切って裁判所に行ったけれど、

刑事:午前1件、午後1件(判決)
民事:0件

だった。

家裁の開廷表に、午後3件(いずれも離婚)あったので、年明け早々離婚裁判の出廷大変だなぁと思いながら、待っていたが3件とも中止。

1件は原告代理人は来ていたけれど、被告が出廷せず。(病院の待合室のように「○○様~いらっしゃいませんかー?」と裁判官がロビーで呼び掛けるが誰もいない…)

他2件は、裁判官すら居なかったので、事前に中止が決まっていたのだろう。

今年初傍聴は肩透かしだったけれど、離婚裁判は今日もこういった形で、結婚→離婚で浮き彫りになる人間の怖さを教えてくれた。

今年も人間について学んでいきたい。

ストーカーや嫌がらせが愛知県迷惑行為防止条例として厳しく取り締まり出来るようになった

新年になり、ストーカーや嫌がらせに厳しく取り締まりが出来るよう、愛知県の条例が改正された。

愛知県警察/愛知県迷惑行為防止条例(平成31年1月1日施行)

 

条例をそのまま読んでも、やたら回りくどくて難しい言葉が並んでいるので(法曹界の方々、本当に尊敬します!)一つ一つ理解するのは難しいけれど、今回の改定でよりストーカーや盗撮に対して、より厳しくなった。私の理解では要点は以下の2点。

 

■「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が、「恋愛感情や好意」がある人がストーカーする想定で作られているけれど、つきまといや嫌がらせの動機は、好意だけではないので、「恋愛感情や好意以外の動機からのストーカー」も取り締まれれるようになった。

 

■改定前は、盗撮用のカメラ設置だけでは取り締まれなかったが、改定後は、カメラ設置だけでも取り締まれるようになった。また盗撮行為の場所についても改定前は「公衆の場所」だった為、誰でもいつでも利用する場所ではない為に公衆の場所とまでは言えず、取り締まるのが難しかった「学校・更衣室・タクシー・ホテルの部屋など」も対象となり、規制場所を拡大した。

 

いつも思うけれど、犯罪は法律のずいぶん先をいっているので、相当被害者が犠牲になってようやく法律が出来るという後追い。

ストーカーや、ご近所トラブルなど、迷惑行為は一般市民にとって一番身近で被害に遭うかもしれない犯罪だと思っている。

 

ストーカー相談を警察にしにいっても、なかなか取り合ってくれないという話もあるそうだが、今回の改定でストーカー対策用のブザーの貸し出しも出来るようになっているみたいなので、おそらく相談しやすくなるのではないかと思う。

 

出会い系で出会った中年女性がストーカーへ豹変(量刑記録)

出会い系で出会ったアラフィフ同士中年男女。別れ話がもつれ女性がストーカーとなった事件。

 

【罪名】ストーカー行為等の規制等に関する法律

 

【判決】6月 執行猶予3年(求刑6月)

 

最初は週2位でデートし、合鍵も渡したり、お互いのスマホに位置情報が分かるアプリを入れていたくらい親密な付き合いだった。

ある時、男性が彼女の位置情報を確認したら、そこはラブホテル・・・。

 

そういったことからも別れ話になったがもつれ、女性がストーカーへと暴走。警察より口頭、その後書面で警告を受けたにも関わらず書面警告5時間後の事件。

 

ストーカー警告を書面で受けても、なぜすぐに被害者宅へ向かったのかという質問には、書面での警告は重要なものとの認識がなかったとの回答。

 

裁判長は、二人の問題に警察が介入するということはよっぽどの事なのだと被告をさとし、今後は一切かかわらないことを約束した。

 

ここで、ストーカー被害にあっている人が相談できる窓口が愛知県でもあるようなので、ここに記載しておく。もし悩んでいる人がいたら活用してほしい。 

愛知県警察本部では、女性警察官を含む、専従の警察官が対応する相談電話を開設しています。
・ストーカー被害に困っている、・どうしたらいいか判らない、・etc・・

ストーカーの問題で困ったときは相談電話をご利用下さい

052-961-0888 《ストーカー110番》

 

現在の一夫一婦制にかなり無理があると東大教授の先生も言っていた

 

 

離婚の裁判を傍聴するたびに、そもそも一夫一妻制に無理があるんじゃないの?そもそもの婚姻のルール自体をもう少し見直す必要があるんじゃないの?と思わざるをえない。

家に帰ればテレビでは、年がら年中芸能人の不倫や離婚の話が目に入ってきて、なんかみんな無理なことに対してエネルギーを使いすぎているように思う。

 

私は一夫多妻を賛成というわけではないし、日本が突然一夫多妻制OKに法律が変わるなんて考えられないけれど、もう少し結婚と離婚をスムーズに出来るようになれば、人の苦労と苦悩を随分減らせるのではないかと思う。

転職をスムーズにできるよう解雇と転職をしやすくと言われているのと似ていて、結婚についても、3組に1組離婚するといわれているのに、結婚がもう絶対的なもののようにイメージされるから、結婚に二の足を踏む人もいるし、結婚したらしたで、本当に辛いのに離婚をしないでいる人がどれだけいるだろう。

 

離婚の裁判を見るたびに、人はこれほど憎みあい、だまし合うものなんだと恐ろしくなるし、もう少し離婚がしやすければ、ここまでこじれる前に別れられると思う。

ルールに無理があるから人が不幸になっているともいえる。

 

そんなことを日々思っているところに、今日NHK又吉直樹のヘウレーカという番組を見た。生物学や神経科学の観点から記憶と恋愛メカニズムを研究している脳神経科学者の奥山輝大先生がゲスト。

 

その先生も、霊長類の一種として、人を動物として考えた場合、人にとって一夫一妻制は最適ではないと言っていた。

 

本来、一夫一妻制は環境が厳しいエクストリームな状況で出てくる婚姻形態。複数の異性の中から選ぶ場合は、選ぶ出会うコストがかかる。そんなことをする余裕がない砂漠とかだと最初から一夫一妻にして強いつがいを作った方が生き残りやすく、進化的にそちらの方が生き残った。

 

人間は、戦う相手も今はいないし、動物としては今は余裕がある。動物の本能としては無理している状態。

  

優れたオスの子供を残すことで種として残っていくほうが種としては安定する。人間が種としての繁栄ではなく個体としての幸せを選ぶシステムを作ったのが面白い。

 

やっぱり現在のルールは無理がある。これでは結婚している人もしていない人もみんなが不幸になる。

かといって一夫多妻にルールが変わるというのは現実的ではないので、まずは人々の「結婚したら上がり感」をなくすことと、離婚の話が出て別居していたら、他の異性と関係があっても問われないなど、みんなの意識と結婚生活の破たんのハードルをもう少し下げることからかなぁと思っている。

 

オーバーステイと在留カード偽造(量刑記録)

インドネシア人男性が、オーバーステイし、在留カード偽造した罪。

 

【罪名】

出入国管理及び難民認定法違反

 

【判決】

懲役2年、執行猶予4年

 

この判決で晴れて勾留の身から解放されたことになる。

被告に付き添う人物が、刑務官から出入国管理官?(制服も刑務官とは違う)にバトンタッチ。

被告も自分がこのあとどうなるのかよく分からず、キョロキョロしている間に、弁護士先生はさっさと退廷。

 

被告は通訳に何やら話しかける。

 

通訳:「弁護士の先生にお礼を言いたい」と言っています。

裁判長:もう帰られました・・・。

 

被告は残念そうにし、傍聴席にも一礼した。

きっと彼はもう日本に来ることがないと思うが、弁護士先生、最後に彼に一言声をかけてあげてほしかったな。

 

彼には私の心の中からエールを送った。

インドネシアに帰って頑張ってほしい。

後妻業の妻 筧千佐子にかかわってしまった男達の幸せとは

先日テレビで、後妻業の妻 筧千佐子の面会に何度も行き本を執筆したルポライターが出演していた。去年私も京都地裁まで傍聴しに行ったので思ったことを記録しておこうと思う。

 

まず、この事件は、起訴されたのが4名だが、それ以外にも殺めているようで(ルポライターさんが千佐子本人から面会の時に聞いたそう)、何人も人が死んでいるのに、どこか現実味がないのだ。

 

血も流れていないし、被害者は孤独で他人とのかかわりが少ない人であるため、「被害者の家族感」が表面に出てこないので、傍聴していてもどこか人間らしい生々しさが感じられないのだ。

 

殺されてしまった被害者が千佐子と良い仲になった時に数少ない関わりのある人物にもらした喜びの声、そして今回幸い被害者とならなかった千佐子と関係を持った男性が皆千佐子に夢中になっていた様子。

  

被害者は真面目につつましく生きている孤独な男性で、健康の為にジムに行ったり、月1回の通院は忘れることなく続け、かかわる人物もほとんどいないといった真面目でイメージ通りの孤独な高齢男性達。

 

随分前から独身で、普段の生活では女性とのかかわりもほぼなかっただろう。そんな真面目でつつましく生きていた被害者男性でも、寂しいとか最後にひと花咲かせたいという切ない願望は忘れていない。その願望に千佐子がするっと入り、願望をどんどんかなえていく。

 

千佐子にとって、歯の浮いたようなセリフや、婚姻届け、肉体関係は目標達成のためなら必要な手段の一つでありたいした意味はないのだ。

 

千佐子と過去交際関係にあったというひとりの男性が証言台に立った。その男性は入院中。見た目にも相当体が弱っているように見え、証言する為に外出許可をもらってきたそうだ。

 

その男性は誇らしげに千佐子と肉体関係があったと証言した。

 

この男性からや被害者から見えてきたもの、最後にひと花咲かせたいという人間の自然で切ない欲望を人質に千佐子は金を引き出そうとしたということだ。

 

高齢男性の寂しい気持ちを利用した犯罪というのはニュースを聞いただけで分かるが、その奥の男性の自然で切ない欲望をかいまみる事ができたのがとても感慨深かった。