ココロノトモのブログ

傍聴した裁判から学んだ事、考えた事をまとめています

犯罪のインセンティブ、損得勘定

随分前だが、社会のマナーやルールについてのテーマをテレビで放送していた。
その中で犯罪をおかすインセンティブがどのような時に働くかということについてもふれていた。

その公式というのがこれ。

その行為によって得られるもの ≧ 失うもの × 摘発される確率

一般市民には犯罪は無縁と思いがちだが、例えば
放置自転車の例で考えてみると、もう少し自分ごととしてイメージしやすい。
駐輪禁止部分に停めるか、有料の駐輪場に停めるかという以下のジャッジを瞬時に頭の中で行っている。

放置する便利さ・快適さ ≧ 自転車を取り戻す費用 × 撤去される確率

今ここに自転車を停めればタダだけど、撤去されれば○○円払わなければならないなぁ。でもこの時間なら撤去作業はしないだろう(or最近撤去厳しいから有料駐輪場に置きにいくか、など )

イメージをつかめたところで最初の公式に戻ろう。

その行為によって得られるもの ≧ 失うもの × 摘発される確率

犯罪をおこす瞬間「≧より前」は今、「≧より後ろ」は後の事。

今この瞬間に金が欲しい、今この瞬間にあれが欲しい、今この瞬間に自分の欲望だけを実現したい!
そう、「今」しか頭の中にないのだ。

犯罪をおこす瞬間は多くの場合、この公式の「失うもの」か「摘発される確率」がゼロになり、ゼロに何をかけてもゼロなので、犯罪で得られるものしか見えなくなる。

裁判でカギ屋について学んだ

事件に関連する空室になっているマンション一室で、中に誰もいないのに、なぜかドアU字ロックがかかっていたという奇妙な事件があった。

 

結局なぞは解けないままだが、U字ロックを外から開けることになった為、カギの専門家としてカギ屋さんの証言を聞くことができた。

 

開錠しやすい鍵は、「ディスクシリンダー」「シンシリンダー」

開錠しにくい鍵は「ディンプルシリンダー」

 

ディスクシリンダーは、簡単に開錠しやすくセキュリティ上、もう販売終了しているそう。

 

開錠する為の道具は「ピック」と呼ばれる針金。自前で作るカギ師もいるし、工具専門店で購入するカギ師もいる。

 

一番驚いたのは、ピッキングは練習を一日程度すれば開けられると証言したこと。

一日練習すれば開けられるカギが普段皆が利用しているカギであれば、カギがもっと進化していなければおかしいし、そのカギに全信頼を置きすぎていることをもっと自覚しなければならない。

 

そしてU字ロックやドアチェーンも外から糸のようなものを使って開けられるらしい。風通しをよくする為にU字ロックやチェーンをして玄関を少し開けているお宅もあるが、これも簡単に外から開けられる可能性があることを知っておかなければならない。

 

そして一番怖くなったのが、全国に相当数のカギ師がいると思うが、その中で倫理観が低い人が絶対にいないとは言い切れない。裁判傍聴の弊害だが、カギ屋の倫理観はどう判断すればよいのかと、考えなくてもよいことに対して考えてしまった。

 

裁判傍聴で、知らなくてもいいことを知ったり、心配事が増えることもあるが、知識の引き出しが増えることは悪くないだろう。

 

 

普段カギ屋についてあまり考えたことがなかったので、

男子中学生を8日間連れまわした35歳男(量刑記録)

被告(♂35)は中学生を装い、男子中学生とネットで知り合い交際。

連れ出し、夜行バスで名古屋から横浜まで一緒に行きネットカフェなどに寝泊まりさせる。

8日間も連れまわし、職質を受けたことで男子中学生が解放。

 

それなりに男子中学生を行きたいところに連れて行っているが、8日間もの長期間であること、また今回横浜に一緒に行った経緯も架空の人物を登場させ犯行を認めていない、過去同様の前科有り、再犯の恐れ有り。

 

【罪名】

未成年者誘拐罪

 

【判決】

懲役3年6月

未決勾留60日参入

ナンパテクに絶対の自信を持つイケメンナンパ師の求刑

以前、続けて傍聴したイケメンナンパ氏強姦事件の論告弁論が行われた。

 

cocoronotomo.hatenablog.com

 

cocoronotomo.hatenablog.com

 

【求刑】

2件の強姦事件で求刑6年

8年前の事件の為、現法律ではなく、当時の罪名強姦扱い。

 

【弁論】

・腕をつかむ程度は自然な行為

・口淫する際に被告が片手で被害者の肩を押した程度では被害者の自ら膝を曲げる動作がないと、しゃがむことは出来ない。

・ディープキスは、被害者側が自ら口を開けていないと成立しない。

・姦淫行為の最後にマンション住民と思われる目撃者に気付かれたが、検察側は、その目撃者を探す努力をしておらず証明が不足していると指摘。

 ・暴行は一切なく、無罪を主張。

 

被告の最後の一言は、「今まで色々な女性と関係を持ったが、必ず会話をして嫌だと思われている人に無理やりすることは一切なかった。この状況が信じられない。」

 

本当に自分のナンパテクに誇りを持っている被告だった。

ただ、一番怖かったのは、検察側が弁護人から目撃者についてなぜもっと詳しく調査しないのかツッコミされた時に、動揺し、しどろもどろすぎて、確実に「検察側は目撃者は見つからなかったことにしようとしていること」が分かる反応だった。目撃者の証言は検察側のストーリーにそぐわなかったのだろう。

この裁判で一番の学びは、実は「検察官にとって都合の悪い事は隠す」だったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

元モーニング娘 吉澤ひとみの飲酒運転事故にも共通する逃走の背景

 元モーニング娘 吉澤ひとみの飲酒運転事故のニュースを見た時、華々しい世界のアイドルが護送されている姿はギャップがあり、なかなかの衝撃だった。

 

車を運転していれば、事故を自分が起こしてしまう可能性もあるし、事故に巻き込まれる可能性もある。

 

悪意をもって行う犯罪とは一線を画しているようにも思えるが、交通系の事故でももちろん全員とはいわないが、交通ルールの規範意識自体が薄く過去に捕まったり罰金をとられていたりと予兆がある被告も多い。

 

その過去の違反というのが、信号無視や、免許不携帯、スピード違反を複数回重ね、罰金もすんなり支払わないなど、やはりベースに交通ルールの規範意識が薄いことから起きている出来事だ。

 

そして、過去に傍聴した中でも、自動車事故を起こして一旦逃走してしまうのには、事故とは別にばれると困る事柄を抱えているという理由がある。飲酒運転してしまっている、覚せい剤大麻が体に残っていたり所持している、無免許・・・

 

「事故とは別に隠したい事柄」が救える命を救えなくなってしまうかもしれないのだ。そしてその事情は、事故単独とはまた別の事情であり、その事情はおおかた、被告の規範意識が低いことにより発生している事情である。

 

傍聴にはまる前は、交通事故は、他の事故とは違って偶然だから被告も運が悪かったね、くらいに思っていたが、交通系の事故も特にひき逃げは背景に被告の規範意識の低さから起こるべくして起こる場合も多く、今回の吉澤ひとみも、過去に事故を起こしているし飲酒運転をしているので、その事例の一つと言える。 

痴漢の間違った問題解決方法

捕まったことによって、痴漢が治った人はいるのだろうか。

傍聴すればするほど、痴漢は治せるものではない、痴漢をやめさせることが出来る方法はないという確信が高まっていく。

今回傍聴した被告は前回服役もしており、今回5回目。

今回父親が情状証人として出廷。
過去の裁判時と異なるサポートをすることを裁判長にアピールしなければならないが今までと今回のサポートの違いは、「医療のサポートを受けさせること」と証言。

もう5回目なのに、今のタイミングでようやく「医療とつなげる」の証言。

1-3回目までは出所後、地元の大阪、親の監視の元だったが4回目は被告が大学で過ごした名古屋に住まわせることに再起をかけたとの父親談。理由は、被告が大学で名古屋に住んでいた時は痴漢の問題行動がなかったから、名古屋に住ませることで、痴漢をしないことに繋がるのではないかと思ったそう。しかも息子に父親が、名古屋にマンションの一室を購入している。

被告は新卒で金融関係の会社に就職したということだったし、父親も息子にマンションの一室を買い与えられるほど、世間一般で言えばきちんとした人間に分類されるだろう。
にもかかわらず、第三者から見れば、全く電車もないような地域ならともかく、名古屋に住むことが痴漢しないことにつながると考えること自体、そんなバカなと思うが、悩んで出した解決方法だったのか・・・。

父親は、名古屋に住まわせておくことは出来ないので、息子は大阪に戻すと言っていたが、親子で今までのループを抜け出しすためにも痴漢は治らないことを前提にして、痴漢をしたくても出来ない環境に置くなど別の問題解決の方法で何とか更生してほしいと思う。

9月の名古屋地裁裁判員裁判

毎月1日に、裁判員裁判の情報が公開される。

 

9月の裁判員裁判傷害致死1件のみ。

7月・8月は裁判官の夏季休暇の関係で少ないので、9月に入ればもう少し多く裁判員裁判があると思っていた。

 

名古屋地裁裁判員裁判も裁判全体数も、今年に入ってから体感として随分少ない。最近検察官の異動が多い為、スケジュールが滞っているのかと思っていたが、急激に愛知が平和になるとは思えないし、なぜ最近公判数が少ないのか気になっている。